...僅(わず)かなる岩間の淀(よど)みに...
伊藤左千夫 「春の潮」
...向ふの岸の岩間には山吹の花がしなやかな枝ごと風に吹きゆすられてゐる...
今井邦子 「雪解水」
...湯の流れは絶えず浴槽へそそいで、徐(しず)かに、温かに、そして滑らかに全身の肌をなでては、又岩間へと、優しい音を残して姿をかくす...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...漁夫の去ったあとの岩間に...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...よほどしっかり岩間に根を食いこませ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...時々岩間に敏捷な姿を現わす...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...アツといふ間もなく岩間から転落して...
牧野信一 「鏡地獄」
...岩間に逃げていた海つばめの再び波の上に下りて来る白い翼が夜の青暗さのなかに見えた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「剣のうた」
...やう/\に心落ち居て見渡せば一方は絶壁天を支へて古松いろ/\に青み渡り木陰岩間には咲き残れるつつじの色どりたるけしきまたなく面白し...
正岡子規 「かけはしの記」
...糸引けるごと岩間に流れひろごりて...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...古城も岩間で腐りかかり...
横光利一 「欧洲紀行」
...岩間三太夫とやらが...
吉川英治 「新書太閤記」
...岩間三太夫の無謀の挙を...
吉川英治 「新書太閤記」
...「細川家の岩間角兵衛どのの手から...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ここの主(あるじ)の岩間角兵衛などは年こそ自分よりはずっと上だが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...だからこの空気は、大きくは天下の剣人達の興味から起ってもいるが、その真因は、藩老の岩間派と、藩老の長岡派との対立が醸(かも)したものだと観(み)るものもあった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...一介の牢人の身には、障(さわ)る所もござりませぬが、藩政に御関与なさるる長岡様、岩間様には、寸毫(すんごう)でも、左様な疑いを領民に抱かせてはなりませぬ」「いやあ、なるほどの!」老人達は、大きく答えて、「それで、御身には、御家老のお邸へ、わらじを解くことを、憚(はばか)って参られたのか」「いや、それは理窟で」武蔵は、微笑に打消し、「実のところは、生来の野人、気ままにおりたいのでござる」「お心もち、よく相分った...
吉川英治 「宮本武蔵」
...岩間角兵衛などの奉行(ぶぎょう)や...
吉川英治 「宮本武蔵」
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