...屹(きつ)と良秀の方を睨みました...
芥川龍之介 「地獄変」
...四晩に一度は屹度(きつと)忍(しの)んで寢に來る丑之助――兼大工の弟子で...
石川啄木 「天鵞絨」
...少歳が手古奈に仕事を言ひつけると眞奈が屹度一所にやる...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...人の氣合が屹と引きつめられた...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...屹度(きつと)金銭(かね)は出来る...
薄田泣菫 「茶話」
...また屹(きっ)と刎(は)ね返し...
中里介山 「大菩薩峠」
...否此の家には屹度かういふ性癖の人間が生れるので此は血統である...
長塚節 「芋掘り」
...念佛(ねんぶつ)の伴侶(なかま)が交互(かはりがはり)に少(すこ)しづゝの食料(しよくれう)を持(も)つて來(き)てくれるのを卯平(うへい)は屹度(きつと)餘(あま)して居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...爰(ここ)にグヅ/\して居ると例の若武者が屹(きっ)と遣(やっ)て来るに違いない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...屹(きっ)と殺(や)られると思(おもっ)たから進んだ所が...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...屹(きっ)と役に立つことがあるから黙(だまっ)て取(とっ)て置けと云て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...」「屹度よ...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...『若(も)し此(この)菓子(くわし)を一(ひと)つ食(た)べたなら屹度(きつと)私(わたし)の大(おほ)きさが變(かは)つて來(く)るに違(ちが)ひない...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...だが吾れ歸國して後ち此事が泄れたら屹度殺さるゝから只今眼前に此二子を殺せ...
南方熊楠 「人柱の話」
...この家号も広く出羽地方に播布(はんぷ)しておって佐藤・五十嵐二勢力の外に屹立(きつりつ)しているが...
柳田國男 「名字の話」
...併(しか)し明日(あす)にも屹度(きつと)帽子屋が新形(がた)を拵(こしら)へて知名な女優に贈り夫(それ)を被(かぶ)つた姿を写真に撮(とら)せて貰つて一般に流行(はや)らせる事であらう...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...自分の膝に三法師君が在ることを――(ここに新君おわすぞ)といわぬばかり屹(きっ)となって...
吉川英治 「新書太閤記」
...屹度(きっと)つつしまねばならぬぞ』『心得て居ります』『要は...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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