...今日は屹度お客樣よ...
石川啄木 「鳥影」
...屹度俺の事に違ひない...
石川啄木 「病院の窓」
...屹度親父(おやぢ)と叔父貴とが馴れ合つて自分を調弄(からか)つてゐるのか...
薄田泣菫 「茶話」
......
高木貞治 「回顧と展望」
...スッキリとした姿!屹(き)っと見据えていた切れ長な眸許(めもと)……口惜(くや)しそうに涙ぐみながら...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...屹度何か出て来る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...そして身体を前の方へまげて屹度外面を覗くのだった...
豊島与志雄 「蠱惑」
...島の中央に巍然(ぎぜん)として屹立(きつりつ)する・蝙蝠模様で飾られた・反(そ)り屋根の大集会場(バイ)を造ったのも...
中島敦 「南島譚」
...その上に屹然(きつぜん)として聳える古城郭から...
中島敦 「光と風と夢」
...余は旅裝がみすぼらしいので何處の宿でも屹度待遇は疎末なのである...
長塚節 「旅の日記」
...おつぎの心(こゝろ)も屹(きつ)として未(ま)だ燃(も)えつゝある火(ひ)に移(うつ)つた...
長塚節 「土」
...そんなところで見せびらかす奴があるものか」平次は屹(きつ)となりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お夏は屹(きつ)と口をつぐむのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...屹と待っててくれ...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...「ああ、ほんとに今おいらはいい気持だ、まるで人買ひがうちの婆あを引つ浚つて行つて呉れでもしたやうにさ! なあに、かれこれ考へるこたあねえだよ! 善からうが悪からうが構ふこつてねえだ――けふぢゆうに婚礼を挙げつちまやあ、なんてつたつて後の祭りだあな!」「ぢやあ、屹度だぜ、ソローピイのお父(とつ)つあん...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...「こりやいかん!」と七郎は屹と応援隊の方へ眼をそらして...
牧野信一 「月下のマラソン」
...屹度ミサ子は貴方に会いたがっているに相違ないのです...
松永延造 「職工と微笑」
...三斎は、その涙を見つけて、「お、太夫、泣いているな?」「は、御無礼、おゆるし下さりませ――つい、さまざま、思い出しまして――」「思い出したとは? 何を?」「わたくしめが、顔見世狂言にまねかれて御当地にまいり、中村座に出ましたはじめ、御一門さまの御見物をいただき、天にも昇る気がいたしましたが、あのおり、おさじきにお並びなされました方々が、御隠居さまをのぞきまいらせ、ことごとく、もはやこの世においであそばさぬことを思いますると、つい、泣けてまいりまして――」「なんと、雪之丞、しからば、その方、浪路めの不幸をも存じておるとな!」と、三斎、屹ッとする...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
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