...屹度衆人(みんな)が叔父の前へ来て頭を下げるだらう...
石川啄木 「刑余の叔父」
...丑さんは屹度お作の所に許りゆくだらうと考へると...
石川啄木 「天鵞絨」
...――貴方方が齢の順で歩いてゐたんでせう? だから屹度あの順で死ぬんだらうつて言つたんです...
石川啄木 「道」
...あの音(おと)が屹(きつ)とみだれる...
泉鏡太郎 「十六夜」
...早瀬は屹(きっ)となって鋭く見た...
泉鏡花 「婦系図」
...廊下の方を屹(きっ)と見て...
泉鏡花 「婦系図」
...そして身体を前の方へまげて屹度外面を覗くのだった...
豊島与志雄 「蠱惑」
...机竜之助の白く光る眼は屹(きっ)と一心斎の面に注(そそ)ぎまして...
中里介山 「大菩薩峠」
...今に屹と、息子が名乗ってくるだろう...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...言(い)ふだけの事(こと)は屹度(きつと)言(い)ふて...
樋口一葉 「十三夜」
...「屹度もう居眠りがはぢまつてゐますよ...
牧野信一 「熱海線私語」
...屹度!」「今迄にもそんなことあります?」「お酒のことはないけれど...
牧野信一 「熱い風」
...「あなたは屹度及第しますよ...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...電灯が点いて間もない頃だつたが祖父は電気を怕がつて、行灯の傍らで独酌しながら私達の合奏を聴き、酔が回つて来る時分になると、屹度、ほツほツほツとわらふやうな声で泣いた...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...――「ぢや、また明日の晩、都合がついたらお君ちやんの家に来て呉れませんか、私は雨だらうが嵐だらうが屹度行つてゐますから……」「えゝ、行きませう、屹度行きます...
牧野信一 「露路の友」
...定家(ていか)の糟粕(そうはく)をしゃぶるでもなく自己の本領屹然(きつぜん)として山岳と高きを争い日月と光を競うところ実に畏(おそ)るべく尊むべく覚えず膝(ひざ)を屈するの思い有之(これあり)候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...鳴雪翁曰く十句の時は屹度句が失せますと...
子規 「闇汁圖解」
...違背ある者は屹度(きっと)申付くべき事...
山本周五郎 「城を守る者」
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