...磯際の巖も一つ一つ紫水晶のやうに見えて山際の雜樹が青い...
泉鏡花 「遺稿」
...磯際の巌も一つ一つ紫水晶のように見えて山際の雑樹(ぞうき)が青い...
泉鏡花 「遺稿」
...山際へ日暮の波が輪になって颯(さっ)と広がる中で...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...山際を川に沿うて下ると...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...其所(そこ)から往来まで持ち出すのがまた大変……山際(ぎわ)には百姓家の畠があって...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...山際の寺の鐘も続いて烈しく鳴り始めた...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...山際では鳩がのんきさうにホウ...
田山録弥 「父親」
...暮色の深い山際の上瀬から玉を転がすやうな河鹿が啼いてくる...
中村憲吉 「三次の鵜飼」
...樺の山際と碧空とが...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...道はうねりくねって城の裏手の山際へ出ます...
野村胡堂 「古城の真昼」
...すこし離れた山際に老爺が一人ゐる...
橋本多佳子 「麦刈」
...山際(やまぎわ)...
久生十蘭 「キャラコさん」
...その光が消えると同時に第一の浪が山際に着いた...
武者金吉 「地震なまず」
...山際をすぎて洋に出れば三里ありといふ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...お隣りの山際っていうお医者さんに診(み)せたら心臓の工合がわるいって云うの...
夢野久作 「鉄鎚」
...山際に残った雪が杉の幹の間から白く見えている...
横光利一 「夜の靴」
...都市と本来の山際とを隔てる低くなだらかな麓の丘に沿って左右に目を走らせた結果...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...見ると山際の麦畑の中に百姓家らしい唯だ一軒の藁屋が日を浴びて立って居る...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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