...右すれば山越し二里にして足尾(あしお)...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...二人で山越しをしながら云々(うんぬん)という処があったんですもの――」「でも...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...二十年程前といふとまだ私は二十を沢山越してゐなかつたので...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...山越しをして有馬へ行かせると云う用心深さであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...湯ノ原から湯ノ平へ山越しないで幸だつた...
種田山頭火 「行乞記」
...山越して八幡へ、のんびりぼんやりの気分で市街見物...
種田山頭火 「其中日記」
...山越して汗びつしより...
種田山頭火 「其中日記」
...それはかれ等とて毒の入つたまん頭やしびれ薬の雑ぜられてある酒なぞがそこにあらうとは思はなかつたけれども、今朝から持つてゐる不安――その山の中ではいつ馬賊に出会すかわからないといつたやうな不安が、絶えずかれ等をおびやかして、山越しに、否、むしろ岩石づたひに辛うじてそこに行着いた時には、どうして好奇にこんな山の中に入つて来たかと後悔されたのであつた...
田山録弥 「草道」
...二十二日北山越しに高松迄の往復を頼みたい...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...名月院から山越しして山之内へお逃げになるので...
久生十蘭 「だいこん」
...一人残らず山越ししてどこかへ行ってしまいそうな形勢で...
久生十蘭 「だいこん」
...旅人は妻が閨なる床(ゆか)に栖む蟋蟀思ふ千屈菜(みそはぎ)の花旅人が留守する妻を思ふ歌の代表的なものの一つに軍王の 山越しの風を時じみ寝る夜落ちず家なる妹をかけて偲びつ といふのがある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...それから山越しで吉野へ出て...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...ひいひいたもれ火が無い無いとこの山越してこの田へおりてなどと歌ってきかせているのも...
柳田国男 「こども風土記」
...山越しに隣りの領内へ逃げたもようです」隼人は岡村七郎兵衛を見た...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...そっちは近いが山越しの裏道だ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...峻嶮な山越しにカシュガル...
和辻哲郎 「鎖国」
...山越しで十日行くと力強い君主が住んでいる...
和辻哲郎 「鎖国」
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