...山気(さんき)は翠(みどり)に滴って...
泉鏡花 「遺稿」
...あたりのものかげから冷え冷えと流れて来る山気(さんき)をかき乱すともないつつましやかさを背に感じながら...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...呼吸がはずんで一しほ山気を感じた...
種田山頭火 「行乞記」
...姪の結婚に山気のあったことは争われなかった...
徳田秋声 「挿話」
...急に大胆な山気が動いて...
徳田秋声 「爛」
...静かにうるんだ山気の...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...内々は富籤(とみくじ)までも買っているといった山気(やまき)のある按摩(あんま)でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...霧のような冷たい山気(さんき)が動いて...
久生十蘭 「白雪姫」
...清澄な山気を吸ひ...
平出修 「計画」
...深い山気の静寂がひえびえと身肌に迫った...
本庄陸男 「石狩川」
...では山にするか? 山気涼々たる緑深い窓に書をひもとかば心忽ちにして無辺の仙境に遊ばん...
牧野信一 「〔編輯余話〕」
...山気の化して人の形と成りたるなりと謂ふ説あり...
柳田国男 「山の人生」
...山気をふくんで秋かと思うほど冷やかだった...
山本周五郎 「新潮記」
...冷たい山気のなかに...
山本周五郎 「山彦乙女」
...山気は森(しん)として...
吉川英治 「三国志」
...着かざッた男女は遊山気分で矢来にむらがり...
吉川英治 「私本太平記」
...それはコケおどしに腐心する山気の匂いであり...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
...この画家には川端氏のごとき山気がない...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
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