...いま初めて原始的な山気にふれ...
田中英光 「箱根の山」
...そのあたりいちめんにたゞようてゐる山気...
種田山頭火 「行乞記」
...急に大胆な山気が動いて...
徳田秋声 「爛」
...ちっと気を大きくして山気(やまき)を出せ、山気を出せ、あんなけちけちした男に心中立て――それもさこっちばかりでお相手なしの心中立てするよりか、こら、お豊、三井(みつい)か三菱(みつびし)、でなけりゃア大将か総理大臣の息子(むすこ)、いやそれよりか外国の皇族でも引っかける分別をしろ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...一体になかなか山気(やまき)がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...本人自身は山気(やまけ)はない...
中里介山 「大菩薩峠」
...なにかしら愁い心をさえ誘うような……おのづから香に匂う春の山気かなやがて...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...肝心(かんじん)なところで山気(やまぎ)だの謀叛気(むほんぎ)だのって低気圧を起しちゃ親不孝に当らあね...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...内々は富籤(とみくじ)までも買っているといった山気(やまき)のある按摩(あんま)でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...足柄の山気(さんき)に深く包まれてほととぎすにも身を変へてましほととぎすを不如帰と書くのはその啼き声の写音であらうが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...つまりわたくし共は山気(やまぎ)のある為事(しごと)をしてゐたのでございますね...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...頂上近くになれば霧が盛んに押し寄せて高山気分をおもわせる...
村山俊太郎 「平泉紀行」
...山気至て冷なり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...山気(さんき)は冷々(ひえびえ)と毛穴にせまる...
吉川英治 「私本太平記」
...したがってこういう人々が仏法へ奉じる行作(ぎょうさ)は決まって形式的だった、遊山気分だった、派手だった...
吉川英治 「親鸞」
...森厳な冷気と山気(さんき)があって...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...竹の密林を抜けるともう山気(さんき)のある川が月光を裂(さ)いて里へ走っている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...この画家には川端氏のごとき山気がない...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
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