...剣山刀樹は熟語ではありません...
...日も西に傾(かたぶき)たれば明日(あす)きたらんとて人の見つけざるやうに山刀(やまがたな)にて熊を雪に埋(うづ)めかくし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...「この妖怪(ばけもの)奴」半兵衛は腰にさしていた山刀を抜いて...
田中貢太郎 「山の怪」
...「まだそんなことをするか」半兵衛はもう見さかいなしに山刀で切って廻った...
田中貢太郎 「山の怪」
...道をふさぐ大幹小柯にいたっては、乗り越え、くぐりぬけ、山刀で払い、ついには鋸を用いて挽(ひ)くまでになる...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...「待ちなよ、若えの、いやさお侍」林の中からバラバラと飛んで来たのは、熊の皮の胴服を素っ裸の上に着て、空っ脛にはばきを穿いた五十男と、半纏(はんてん)を頭から被って、素足に藁靴を履いた三十男の二人、一人は短い山刀、一人は長脇差、それを引っこ抜いて、頼門の左右から迫ったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...どこの家(うち)にも山刀(なた)も三本鍬(さんぼんぐは)も唐鍬(たうぐは)も一つもありませんでした...
宮沢賢治 「狼森と笊森、盗森」
...山刀をぼっこんだ大男がいて其角を受取った...
山本周五郎 「其角と山賊と殿様」
...甲斐は山刀の切尖をさげた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...山刀をふりあげた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...もんぺを穿(は)いたひとりの小童(こわっぱ)がいきなり山刀を抜きそうにしてくるので...
吉川英治 「江戸三国志」
...山刀をふッて次郎を挟撃している最中...
吉川英治 「江戸三国志」
...あけび蔓(づる)をまいた山刀などとは...
吉川英治 「神州天馬侠」
...腰なる山刀を抜きかけると...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いきなり山刀を鞘(さや)ぐるみ腰から抜いて...
吉川英治 「新・水滸伝」
...山刀を抜いて、突如、一人が踊り出すと、また二人、また三人、浮かれ腰をあげて、道化(どうけ)た舞をしはじめる...
吉川英治 「親鸞」
...もっとも只今では、聖護院の印可(いんか)をうけ、名も播磨房(はりまぼう)弁円とかえて、山伏となっておりますが」「なに、山伏じゃ」と、異様な彼のふうていを見直して――「山伏たる者が、何でさような姿をし、山刀など差して、お山をうろついているか」「ゆうべの夜中から、鹿(しし)ヶ谷(たに)の奥峰から山づたいに参ったので、麓にある山伏の行衣(ぎょうえ)を取り寄せて身にまとう遑(いとま)もなかったのでござる...
吉川英治 「親鸞」
...その下から山刀が素っ飛び...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それはすばらしい迅さと鋭さを持った一本の山刀(やまがたな)だった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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