...夕日が山かげに沈まうず時は...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...一時間も走ったころ、山かげを廻った...
海野十三 「人造人間エフ氏」
...遂に蠅男は口惜しがる帆村と長吉とを谿底(たにぞこ)へ置いて山かげに姿を消してしまった...
海野十三 「蠅男」
...君は薔薇(うばら)の花白き片山かげの紅顏(あから)少女...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...お母さんは寂しい山かげにいるのですが...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「嬰寧」
...わたしは眼をあげてその石清水(いわしみず)の山かげを仰ぎ...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...落ちてきた虫の生きてゐる・ふけて山かげの...
種田山頭火 「其中日記」
...――・うぐひすうぐひす和尚さん掃いてござる・なんとよい日の苗代をつくること・山はしづかなてふてふがまひるのかげして・山かげふつとはためくは鯉幟・岩に口づける水のうまさは・若葉したゝる水音みつけた四月二十六日曇...
種田山頭火 「其中日記」
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中原中也 「在りし日の歌」
...やがて、島の山かげから、黒い黒い煙がもうもうと立ちのぼり、地ひびきのような怪しい爆音が聞えてきた...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...下総(しもうさ)の山かげへ消えて行く『富士』の姿を見おくって...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...あの山かげへ消えた潜水艦『富士』...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...そんな谷あいの山かげに...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...その眼に私は山かげの二つの暗いさびしい沼を思い出した...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「最後の晩餐」
...山かげはすでに夕暮れらしい風が吹いていたが...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...岩々(がんがん)と天(そら)を摩(ま)している山かげをあおぎながら...
吉川英治 「神州天馬侠」
...山かげの入江の海はいかにも冷たく錆び果てて...
若山牧水 「樹木とその葉」
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若山牧水 「みなかみ紀行」
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