...しかし、時には、ほかのところに一点の雲もないのに、この山々は、その頂きに灰色の霧の頭巾(ずきん)をつけることもあり、それが夕陽の最後の光をあびて、栄光の冠とまごうばかりにきらきらと光り輝くのだ...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...彼が高天原(たかまがはら)の国をめぐる山々の峰を越えたのは...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...北アルプスの山々はあまりに親し過ぎる...
石川欣一 「山を思う」
...登り行く途々鉢盛山の方向には山々が重り合っているのが見えるが...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...山々あったのである...
太宰治 「善蔵を思う」
...それらの山々にはやはり小径がうねうねと木の葉隠れに見え隠れしていた...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...背景をつくった森や藁葺(わらぶき)屋根や遠い秩父(ちちぶ)の山々があざやかにはっきり見える...
田山花袋 「田舎教師」
...もちろん土佐(とさ)の山々だろうと思って...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...四方の山々、奥深い原始林、なだらかな湖面、すべてが静謐だった...
豊島与志雄 「山吹の花」
...まだまだこれから山々の歌をつくりたいと思っていますが...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだ雪のある甲斐(かい)の山々がそんな雨の中から見えだしたときは...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...狐が鳴く時に山々がうなずくものだろうかと返事しました」「お前が言おうとしていることは何だ...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「琴」
...今日は山々の眺めから風の音まで...
宮本百合子 「上林からの手紙」
...この村は谷間(たにま)にあって、ぐるりの山々は、けわしいけれど美しい形をしていました...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...山々の木立に法師蝉(ほうしぜみ)がポツポツ啼き初める頃になると...
夢野久作 「巡査辞職」
...播州(ばんしゅう)の山々や僻地(へきち)の海浜(かいひん)がふくまれているため...
吉川英治 「黒田如水」
...北は龍王山から岡山境の山々まで...
吉川英治 「新書太閤記」
...暮靄(ぼあい)につつまれた大和の山々は...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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