...町をめぐる山々も...
芥川龍之介 「偸盗」
...そこには、大きなブドウの房(ふさ)が、おもたそうにたれさがっていて、気候はじつにおだやかで、山々は、ここではとうてい見られないような、すばらしい色をしていると...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「眠りの精」
...二千メートルを越える山々の麓にかたまった藤原の部落...
石川欣一 「山を思う」
...四方の山々にとっぷりと霧がかかって...
伊藤左千夫 「河口湖」
...丹那という土地は四方を高い山々で取囲まれていて...
江見水蔭 「丹那山の怪」
...四囲の山々から溢流する出水のために銅山の建造物...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...鎌倉に来てみると目には山々の青葉が映り...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...南畫に描(か)かまほしき秋の山々の黄葉を拂ふ風に旅衣を吹かれつゝ...
近松秋江 「伊賀、伊勢路」
...そして、三度とも、未だその向うに、もう少し高い丘のあるのを見たが、四度目に、傾斜した草の中を、登ると、連河内の山々が、遠く黒ずんでおり、右手に、河内平野が、展開して、そこからは、四方が、何んの障害もなく見渡せた...
直木三十五 「南国太平記」
...大天井(おおてんじょう)の方の山々とは比較になりませんけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...四圍の山々には急に鶯や山鳩が鳴きたててゐて氣持ちがよかつた...
林芙美子 「旅人」
...哀に冷にうなだれる純白の百合を一面に――そう山々――そばの川は小声で囁き...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...しかも千古斧鉞(ふえつ)を知らぬこの山々は...
本庄陸男 「石狩川」
...どちらの山々も緑色を示してゐる……」停車場から...
牧野信一 「タンタレスの春」
...こちらも話したい事は山々あるが最(も)う話しする事の出来ない身の上となってしまった...
正岡子規 「墓」
...或時僕はこの辺り一体の山々の脈状を見て来ようと思ひ立つた...
村山槐多 「殺人行者」
...ずいぶん遠い山々のひだがあざやかに見えるし...
山本周五郎 「新潮記」
...西には信濃(しなの)の山々...
吉川英治 「神州天馬侠」
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