...幾十層倍だったでございましょう...
泉鏡花 「海神別荘」
...それに人々はかつてこのような借金の取立て法に遇ったことがなかったので何層倍もびっくりする反面...
犬田卯 「荒蕪地」
...単なる窃盗よりは幾層倍も危険な仕事の様に見える...
江戸川乱歩 「心理試験」
...数層倍苦しかったに違いない...
太宰治 「東京八景」
...生きた雇人等よりは何層倍も早く...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...火事よりも空軍よりも数百層倍恐ろしいはずの未来の全日本的地震...
寺田寅彦 「時事雑感」
...わしが始めて洋行した時分の事を思えば船は三層倍も大きいし...
永井荷風 「春雨の夜」
...私が妻をしのぶ心の幾層倍も深いことが悟られた...
永井隆 「この子を残して」
...私は今より数層倍の手数(てかず)と労力を費やしても厭(いと)わないつもりです...
夏目漱石 「行人」
...それを幾層倍も増して舞台で見る時...
野口米次郎 「能楽論」
...一代に身上(しんしょう)を五層倍にも十層倍にもしたから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...万屋和助は奈良茂の十層倍...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...地(ジ)が出ていても今のスフよりは何層倍かましでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...所謂浅草気分は数層倍濃厚になった...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...前の解放治療の話に何層倍輪をかけた物騒なテーマを吹き立てているんだから……...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...前の章魚よりも何十層倍大きな海蠍(うみさそり)の鋏(はさみ)が詰め寄って来る...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...却(かえ)ってその怪作用を数層倍してその両博士の全生涯をアラユル方向に蹂躙(じゅうりん)し嘲弄している...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...受ける感じの美くしさも亦幾層倍するのである...
夢野久作 「能とは何か」
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