...いや柿丘のなし得たその幾層倍の忠実さをもって...
海野十三 「振動魔」
...あいつは下手人よりも幾層倍の悪党だ...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...若し救いの手が来ないで、あのまま死んで了ったとしても、その苦痛は決してこの世のものではなかったのに、更に更に、幾層倍、幾十層倍の、云うばかりなき大苦悶は、姦婦の手によって彼の上に加えられたのである...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...そんな拷問道具なんかより幾層倍も恐ろしい代物であったことが...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...今日の世の中はその時代よりも幾層倍せちがらくなって...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...それを信じるよりも自分の思っている方を信ずるのが何層倍も真実らしく...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...実物よりも何層倍となく美しい顔を画き...
太宰治 「虚構の春」
...「私も君に狙いを付けられてその幾層倍を苦しんだのだよ...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...表にはそれらの人々に哀れみを施して、裏ではこれだけの陰険な悪事を企(たくら)んで伯爵を嗾(そそのか)している殿下の方こそ、伯爵に十層倍し、二十層倍し、百層倍増した悪漢中の大悪漢であると、嬢は頬に血を上らせた...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...興味も効能も幾層倍するであろう...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...これはそれより千層倍も卑屈です...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...あなたは三層倍も勤勉(まめ)だ...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...この三層倍もでっかい穴を明ける」どうも少し調子が変です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...定めの研賃の倍も三層倍も取ったのはないか――そいつを訊き出して来るがいい」「ヘエ――」「もう一度...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今までの苦しみに何層倍した...
夢野久作 「白菊」
...前の解放治療の話に何層倍輪をかけた物騒なテーマを吹き立てているんだから……...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...前の章魚よりも何十層倍大きな海蠍(うみさそり)の鋏(はさみ)が詰め寄って来る...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...下関(しものせき)から上がる鯖の模様を船頭連中に問うてみるとトテモ大層なものじゃ……昔の何層倍に当るかわからんという...
夢野久作 「爆弾太平記」
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