...我等は此言葉を以つて屡自ら怯え...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...近代的装釘技術の標本として屡々人に示したクレーマー出版の『ウェルタール・ウント・メンシハイト』の精巧細緻なレザーの模範的装釘も痕跡だになく亡び...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...屡々(しばしば)議員の中から法律上の犯罪人を出すゆえんである...
大隈重信 「選挙人に与う」
...印度日耳曼語族に属する国語は、凡て名詞の性を区別し、この区別は屡ば、天然神格の男女の区別に、多少の影響を及ぼせしことあるも、日本国語は此区別を有せざるが故に、日月両神の男女性は、决して、日月なる言語と、何等の関係をも有せざるなり...
高木敏雄 「比較神話学」
...已而菌縟流丹、女屡乞休始止...
田中貢太郎 「荷花公主」
...最も屡々芸術作品を論議せねばならぬ処のクリティシズムなるものは...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...解決すべき問題が眼の前に与えられていない時屡々起こる一つの現象である...
戸坂潤 「思想としての文学」
...人は屡々高声に物を考えると書いている...
豊島与志雄 「幻覚記」
...親子の衝突が屡々(しばしば)繰返された...
中島敦 「光と風と夢」
...屡々そのことを口にしてゐたし...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...おのずから出来た暗黙の誓約によって――これからも屡々(しばしば)おこるであろう家中のことに関するいろいろな工事について――共同しなければならぬ彼らの部落の建設にこういう仕事はぜひとも必要と思われていたからだ...
本庄陸男 「石狩川」
...屡々氷山見ゆの警報を受信しても...
牧逸馬 「運命のSOS」
...正ちやんについて行けば御殿のお庭までも這入れるから案内しようと屡々促されたが...
牧野信一 「魚籃坂にて」
...屡々葛西氏に誘はれたが遂に機会を失つた...
牧野信一 「断想的に」
...この節の僕の屡々なる吐息であるのだ...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...又外箱にも屡々用ゐたが...
柳宗悦 「和紙十年」
...屡しだれ桜の老木を見るといふ地方ならば...
柳田國男 「信濃桜の話」
...修繕前の若鳥号に屡(しば/\)乗つて飛行を試験して居た飛行家(ピロツト)にナルヂニイと云ふ伊太利(イタリイ)人が居た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
便利!手書き漢字入力検索