...彼の思弁癖は屡(しばしば)彼をメランコリアに沈ましめたと云うことである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...社会主義者を問はず一様に提唱し又屡々(しばしば)繰返される鯨波(スローガン)である...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「少数と多数」
...逸子は屡々(しばしば)...
伊藤野枝 「惑ひ」
...當直醫は屡來て注射をした...
高濱虚子 「續俳諧師」
...及び自由帝国両党間の嫉妬軋轢の為に屡々悩殺せられたり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...食事半ばで肴(さかな)をかすめられたりすること屡々(しばしば)である...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...洗(あら)つては乾(かわか)し/\屡(しば/\)それが反覆(はんぷく)されてだん/\に薄青(うすあを)く...
長塚節 「土」
...屡団扇(うちは)を手(て)にして...
夏目漱石 「それから」
...役者どもの集りがバラ/″\なので屡々怒鳴りつける...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...屡々光と影のことに就いて余に謀つてゐたが...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...妻が彼地に赴いてからは、その注意の眼に加へて恋々の想ひを含めて、若しや笹舟に載せられた花言葉でもが流れて来ぬものか――とさへ、屡々考へて、流れのさまを見守ることも、私にとつてはさして無稽でも感傷でもなかつた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...柳の下に蝙蝠の飛んでゐるさまを描いてあるのを屡々見る...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...ひとは歴史に於て屡々現代に對して全くよそよそしく覺え...
三木清 「歴史哲學」
...ところで環境はまた屡々運命的なものと考へられる...
三木清 「歴史哲學」
...また屡々新たに出發點へ立ち戻つて出直さねばならない...
三木清 「歴史哲學」
...屡々かういふ弊害に傾き易い事を知つて貰ひ度い...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...屡上医案...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...名代を用いた場合などは屡(しばしば)あったものと観て大過はなかろうと思う...
吉川英治 「上杉謙信」
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