...八回も頼みました」「たいへん御贔屓(ごひいき)のようですね」「そうです...
海野十三 「恐怖の口笛」
...あとの贔屓(ひいき)の一杯ぶんは...
太宰治 「パンドラの匣」
...兄贔屓(びいき)――」「それが...
直木三十五 「南国太平記」
...或いは家康を虫が好かない故にこそ――西軍に贔屓が出るのかも知れない...
中里介山 「大菩薩峠」
...嫂(ねえ)さんはいくらあなたが贔屓(ひいき)にしたって...
夏目漱石 「行人」
...もう少しこっちを贔屓(ひいき)にしたら好かろうと思うくらいであった...
夏目漱石 「坑夫」
...――なに?――毎度御贔屓(ごひいき)にあずかりましてありがとうございます?――何がありがたいんだね...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...贔屓(ひいき)から役者へ贈物の台をならべた...
長谷川時雨 「明治座今昔」
...路考を贔屓にする若い女はみな自分の仇だというような気になって理窟に合わぬ妬心(ねたみごころ)から...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...その薫さんが私の母贔屓(ははびいき)で...
堀辰雄 「花を持てる女」
...かねて贔屓の新吉原金太郎武蔵の主人に連れられて成田詣りにでかけ...
正岡容 「小説 圓朝」
...贔屓(ひいき)角力などはないがどつちかといふと梅ヶ谷の方を贔屓に思ふて居る...
正岡子規 「病牀六尺」
...京坂贔屓の熱涙を浴びながら...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...香以は贔屓の連中を組織して...
森鴎外 「細木香以」
...勝久は贔屓(ひいき)になっている...
森鴎外 「渋江抽斎」
...何でもない事ですから……イクラでも……わたくしモトからエチオピア贔屓(びいき)ですから...
夢野久作 「女坑主」
...それには流石のパリ贔屓の久慈も寒気を感じてもう我慢が出来なかった...
横光利一 「旅愁」
...そんな野放図もねえ暴れン坊の贔屓(ひいき)をしているんでしょうな」「それはもとより金の欲です...
吉川英治 「新・水滸伝」
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