...彼女の美しさに見とれて、会場の人々全員が屏息する...
...リレーの最終走者がゴール直前で倒れ込んだが、観客たちは一斉に屏息してその後の展開を見守った...
...ドキュメンタリー映画で、危険な登山道を進むシーンにおいて、観客は恐怖心から屏息する...
...美味しい料理を食べると、一瞬間に口の中に広がる味によって屏息してしまうことがある...
...詩人が美しい詩を読み上げた時、聴衆はその美しさに屏息して感動した...
...遂に全く屏息し去るの止むを得ざるに至らしめたりと雖も...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
......
有島武郎 「星座」
...萬客屏息(へいそく)してこれを仰ぎ瞻(み)たり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...前途を考える悲観の観念もいつしか屏息(へいそく)して...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...前途を考へる悲觀の感念も何時しか屏息して...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...「屏息(へいそく)せる新しい女」といふ題の下に書かれた青鞜社の記事は滅茶々々なものでした...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一三年七月号)」
...――「惚太郎」の二階の二畳間に屏息(へいそく)している...
高見順 「如何なる星の下に」
...氏夫れ二十年來鍛錬し得たる手腕を揮つて世間の群小を一齊屏息せしむるを得るや否や...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...曾て自由党の中堅たる土佐派すらも殆ど屏息して彼れの指命を受くるの止むを得ざるに至る...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...氏夫れ二十年来鍛錬し得たる手腕を揮つて世間の群小を一斉屏息せしむるを得るや否や...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...そして圧迫をもって一つの思想を屏息(へいそく)せしむることにいかなる危険があるかを少しも見なかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...勘次(かんじ)は手(て)ランプの光(ひかり)に只(たゞ)目(め)が酷(ひど)く光(ひか)るのみで一言(ごん)もなく屏息(へいそく)して畢(しま)ふのである...
長塚節 「土」
...文学士のように二十円くらいで下宿に屏息(へいそく)していては人間と生れた甲斐(かい)はないからな」高柳君は勘定をして立ち上った...
夏目漱石 「野分」
...屏息(へいそく)し得るように...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...感傷至上の三昧は玲瓏たり、萬有にリズムを感じ、魚鳥も屏息し、金銀慟哭す...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...劣等生だから売口は悪いけれども他日あの男が心の礼を天下に主張する時代が来たら外の優等生や先輩の不誠実家は忽(たちま)ち屏息(へいそく)するに至るだろう」妹「してみると末はなかなか有望なお方ですね」兄「ウム...
村井弦斎 「食道楽」
...その武田も長篠(ながしの)の一敗に屏息(へいそく)し...
吉川英治 「新書太閤記」
...吾輩屏息(へいそく)すれば逆焔も屏息しようが...
吉田松陰 「吉田松陰より某へ」
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