...彼女の美しさに見とれて、会場の人々全員が屏息する...
...リレーの最終走者がゴール直前で倒れ込んだが、観客たちは一斉に屏息してその後の展開を見守った...
...ドキュメンタリー映画で、危険な登山道を進むシーンにおいて、観客は恐怖心から屏息する...
...美味しい料理を食べると、一瞬間に口の中に広がる味によって屏息してしまうことがある...
...詩人が美しい詩を読み上げた時、聴衆はその美しさに屏息して感動した...
...萬客屏息(へいそく)してこれを仰ぎ瞻(み)たり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...前途を考える悲観の観念もいつしか屏息(へいそく)して...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...「屏息(へいそく)せる新しい女」といふ題の下に書かれた青鞜社の記事は滅茶々々なものでした...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一三年七月号)」
...舞踏会の才子佳人はあたかも阪東武者に襲われた平家の公達上のように影を潜めて屏息した...
内田魯庵 「四十年前」
...――「惚太郎」の二階の二畳間に屏息(へいそく)している...
高見順 「如何なる星の下に」
...空しく恨を呑んで屏息(へいそく)せり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...多くは屏息してる時のことでした...
豊島与志雄 「水甕」
...肉感はすべて心の恍惚(こうこつ)の力の下に屏息(へいそく)している時において...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...火災の時屋に登って女子の腰巻を振り動かすや祝融氏(しゅくゆうし)も屏息して焔を収むという...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...勘次(かんじ)は手(て)ランプの光(ひかり)に只(たゞ)目(め)が酷(ひど)く光(ひか)るのみで一言(ごん)もなく屏息(へいそく)して畢(しま)ふのである...
長塚節 「土」
...ごもっともと屏息(へいそく)している訳には行くまいと思います...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...屏息(へいそく)し得るように...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...余は群雄の崛起(くっき)をもってむしろ小盗の屏息を促すものだと考える...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...可憐(かれん)な小品的野営地はもうもうたる雨足の裡(うち)にすっかり屏息(へいそく)してしまったのである...
細井吉造 「二つの松川」
...吾国の国防と外交が極度の孤立屏息(へいそく)状態に陥りおりたる折柄...
夢野久作 「暗黒公使」
...魏が屏息(へいそく)するや...
吉川英治 「三国志」
...「敵はすっかり屏息(へいそく)した」ようやく...
吉川英治 「私本太平記」
...その武田も長篠(ながしの)の一敗に屏息(へいそく)し...
吉川英治 「新書太閤記」
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