...親方もさも何の屈托もなささうな高笑ひをして皆んなの顔を見まはした...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...そして屈托(くったく)のなさそうな顔をして...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...屈托気(くったくげ)に昼寝をしている姿を見詰めながら暫く深い思案に陥っていた...
大阪圭吉 「デパートの絞刑吏」
...)せつかく長い秋の夜をお前ひとりが浮かぬ顔夏中飲んだ酒代を払ひかねての屈托かせつかく長い秋の夜をお前ひとりがふくれ面鼠に借りた蕎麦の粉を虫に食はれた腹だちかかも瓜 (すこし身動きして)あまり騒がないでゐてくれ...
薄田泣菫 「独楽園」
...屈托だらけなのである...
高田保 「貸家を探す話」
...足を投げ出すやうな屈托のない明さはなかつた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...屈托気(くったくげ)にふらりふらりと揺れる...
夏目漱石 「草枕」
...屈托(くったく)がねえから...
夏目漱石 「草枕」
...大した屈托もなく働いている様子です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何んとなく屈托(くつたく)した調子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そういえば何やら屈托があるらしく初秋のころになってから彼の顔色には余り生気がなくなって来たように思われました...
浜尾四郎 「死者の権利」
...腹の屈托(くったく)を口へ出して...
二葉亭四迷 「浮雲」
...当分の間は何かの遊びごとにでも屈托しなければ...
牧野信一 「昔の歌留多」
...屈托した不平の呟きとせずこの際...
宮本百合子 「現実に立って」
...女は平穏無事に小さな世事に屈托(くったく)し...
柳田国男 「木綿以前の事」
...母は勝手元に火焚(ひた)き水汲(みずく)みまたは片付け物に屈托(くったく)をしている間...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...首都の鼠族ほど食糧に屈托(くったく)せぬものはないといってよい...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...屈托(くったく)なくたえず微笑をたたえている...
吉川英治 「新書太閤記」
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