...とにかくさした屈托(くったく)もしないで冬を迎えていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...その当座は犬の事ばかりに屈托して...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...その証拠にはかうしてこゝにゐながらも貸家のことで屈托してゐるではないか...
高田保 「貸家を探す話」
...屈托気(くったくげ)にふらりふらりと揺れる...
夏目漱石 「草枕」
...過去一年の間いまだかつてそんな事に屈托(くったく)した覚えもなく...
夏目漱石 「こころ」
...屈托気(くったくげ)が少ない...
夏目漱石 「写生文」
...幸い彼の目下の状態はそんな事に屈托(くったく)している余裕を彼に与えなかった...
夏目漱石 「道草」
...斯う屈托を聽かされたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...日頃の屈托(くつたく)に對する...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...心に屈托がないからでございます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どうにもならないんだ」と兄は屈托げな顔で暫く考へ込んでゐた...
原民喜 「永遠のみどり」
...久しく苦しんでいる内に文三の屈托も遂にその極度に達して...
二葉亭四迷 「浮雲」
...腹の屈托(くったく)を口へ出して...
二葉亭四迷 「浮雲」
...心に変な屈托がある為か...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...当分の間は何かの遊びごとにでも屈托しなければ...
牧野信一 「昔の歌留多」
...屈托した不平の呟きとせずこの際...
宮本百合子 「現実に立って」
...そうでしょう? 勿論そうだからと云って屈托もしないけれど...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...屈托のない顔で釣をする者が若干ある...
柳田国男 「雪国の春」
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