...とにかくさした屈托(くったく)もしないで冬を迎えていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...屈托気(くったくげ)に昼寝をしている姿を見詰めながら暫く深い思案に陥っていた...
大阪圭吉 「デパートの絞刑吏」
...その証拠にはかうしてこゝにゐながらも貸家のことで屈托してゐるではないか...
高田保 「貸家を探す話」
...足を投げ出すやうな屈托のない明さはなかつた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...けれども運動の不足と、睡眠の不規則と、それから、脳の屈托とで、排泄機能に変化を起した...
夏目漱石 「それから」
...腹の中の屈托(くったく)は...
夏目漱石 「それから」
...夫婦(ふうふ)ともさう物(もの)に屈托(くつたく)する氣色(けしき)はなかつた...
夏目漱石 「門」
...大した屈托もなく働いている様子です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...屈托(くつたく)を知らない男の氣樂さうな後姿が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...錢形の親分さん」お舟は屈托(くつたく)のない樣子で迎へました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...斯う屈托を聽かされたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どうにもならないんだ」と兄は屈托げな顔で暫く考へ込んでゐた...
原民喜 「永遠のみどり」
...それで文三は今又屈托(くったく)の人と為(な)ッているので...
二葉亭四迷 「浮雲」
...屈托(くったく)のない日々の中で...
堀辰雄 「菜穂子」
...お内儀(かみ)さんの云うことを単純に信じて来た彼は屈托(くったく)なげに云った...
本庄陸男 「石狩川」
...ほのかな陰影をふくめた屈托のない花のやうに...
牧野信一 「小川の流れ」
...考へはないか?」隆太郎は全くそれより他に屈托もなく...
牧野信一 「海路」
...決して事に屈托を持たぬ朗らかな楽天家ぞろひだつた...
牧野信一 「円卓子での話」
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