...屈托(くったく)らしい頬杖(ほおづえ)をついては...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...とにかくさした屈托(くったく)もしないで冬を迎えていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...塵程の屈托が無い様に...
石川啄木 「刑余の叔父」
...親方もさも何の屈托もなささうな高笑ひをして皆んなの顔を見まはした...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...そして屈托(くったく)のなさそうな顔をして...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...それより屈托する慾望があるものか...
千家元麿 「自分は見た」
...叔母は屈托(くったく)そうな顔をして...
徳田秋声 「足迹」
...屈托(くったく)がねえから...
夏目漱石 「草枕」
...そればかりに屈托(くったく)していたから...
夏目漱石 「こころ」
...屈托気(くったくげ)が少ない...
夏目漱石 「写生文」
...腹(はら)の中(なか)の屈托は...
夏目漱石 「それから」
...夫婦(ふうふ)ともさう物(もの)に屈托(くつたく)する氣色(けしき)はなかつた...
夏目漱石 「門」
...何やら屈托がおありと見えます――お顔の様子では...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...大した屈托もなく働いている様子です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...屈托(くつたく)を知らない男の氣樂さうな後姿が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...斯う屈托を聽かされたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さういふ和尚さんを相手に何の屈托もなく春の一日を遊び暮す作者の心持...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...茫漠たる想ひにばかり酔つてゐる己れの存在が周囲の者の内心に如何(どん)な悲しみを与へてゐることだらう――そんな弱々しく尤もらしい屈托などにまで走つた...
牧野信一 「雪景色」
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