...まるで御隠居様のようになっていたんで御座(ござ)いましょうね...
池田蕉園 「「ああしんど」」
...「山木さん、久しぶりごあんすな」「いや、御隠居様、どうも申しわけないごぶさたをいたしました...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...たしかもう百か日もお過ぎなさいましたそうで――しかしあの御病気ばかりはどうもいたし方のないもので、御隠居様、さすがお目が届きましたね」川島夫人は顔ふくらしつ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...御隠居様――」小間使いがささげ来たれる一碗(わん)の茗(めい)になめらかなる唇をうるおし「昨年来は長々お世話に相成りましてございますが...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...御隠居様の御用と名乗って入って来た英山公附の女中が...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...御隠居様の御迷惑は一と通りでない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...水戸の御隠居様、水戸の老公と尊称して、天下一の人物のように話して居たから、私も左様(そう)思(おもっ)て居ました...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...御隠居様を始め所謂(いわゆる)御上通(おかみどお)りの人に逢うて見れば...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...二人の女中が「御隠居様」と称ぶやうになつてゐた...
牧野信一 「滝のある村」
...五尺何寸とありそうな大柄の御隠居様が浅黄綸子(りんず)のような立派な着つけをお引摺りにして...
正岡容 「寄席」
...床の間の前へ座った御隠居様はおっしゃった...
正岡容 「寄席」
...その十何匹の黒猫が残らず御隠居様の前へ...
正岡容 「寄席」
...御隠居様の御意にかなった」「ありがたいことでございます...
正岡容 「寄席」
...「御隠居様はお居でですか...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...一度等(など)は祖母が止めるのも聞かずに出掛けて行くと、漸々山田の家の垣根まで行くか行かないに男を走らせて、「御隠居様が、用事があるから私と一緒にお帰りなさる様にとおっしゃいます...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...御隠居様御不快被為入(ごふくわいにいらせられ)御容体書於御家従詰所拝見...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...尚々御隠居様御看病之儀...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...なんとして下さるのじゃ」「へえ……それではご隠居様には...
吉川英治 「宮本武蔵」
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