...「私にも国もとにこの御隠居様と同じ年恰好のお祖父様(じいさま)があります...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...綾が取って食べられそうな人なんで……」「いや、御隠居様...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...こちらの御隠居様はどうしてあんなに御癇癪(ごかんしゃく)が出るのでございましょう...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...たしかもう百か日もお過ぎなさいましたそうで――しかしあの御病気ばかりはどうもいたし方のないもので、御隠居様、さすがお目が届きましたね」川島夫人は顔ふくらしつ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...大目付(おおめつけ)の鳥居様(とりいさま)が町奉行におなり遊ばしてから俄(にわか)に手厳しい御詮議(ごせんぎ)が始まったとやら...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...隠居様ノヨウニシテ置クワ」こういうおやじの兄弟も大抵ではないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...御隠居様に御願申し上げて頂くか...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...三「御隠居様...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御隠居様の御迷惑は一と通りでない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...水戸の御隠居様、水戸の老公と尊称して、天下一の人物のように話して居たから、私も左様(そう)思(おもっ)て居ました...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...五尺何寸とありそうな大柄の御隠居様が浅黄綸子(りんず)のような立派な着つけをお引摺りにして...
正岡容 「寄席」
...あれをな」御隠居様はギロッと怖ろしい目に意味をもたせた...
正岡容 「寄席」
...今度の御養子の事だって何にも伺って居ませんでしたのにいきなり先日その御養子さんとかを御連れなすって御披露なんですものねえ、御隠居様...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...一度等(など)は祖母が止めるのも聞かずに出掛けて行くと、漸々山田の家の垣根まで行くか行かないに男を走らせて、「御隠居様が、用事があるから私と一緒にお帰りなさる様にとおっしゃいます...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...「では、ここで」と甚七はすぐに、笈(おい)を負い、杖を持ち直して、別れを述べた上、「おことばの由、逐一(ちくいち)、鳥居様、酒井様などへ、お伝えいたしておきまする...
吉川英治 「新書太閤記」
...さる御旗本の御隠居様でございましてな』『御用向は...
吉川英治 「死んだ千鳥」
...――お出(い)でなすった」「ご隠居様がお見えだ」と...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「――何がおかしいんだ、笑いごッちゃねえぞ、このご隠居様は、遠い作州から出て来なすって、自分の息子の嫁を奪(と)って逃げた野郎を討つために、先ごろからこの清水寺へ日参をしておいでなさるんだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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