...といっさいを居抜きのまま金七百円で譲ろうという...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...前にいた人のを居抜きで譲り受けたのか...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを快く喫し終った弁信が、澄ました面(かお)を、いっそう澄ませて、「たいそう落着いたお住居(すまい)のようでございますが、いつこれへお越しになりましたか、そうして、以前どなた様のお住居でございましたか」「これが弁信さん、山科の光悦屋敷と申しまして、今度、わたしが引取ることになりました」「あ、これがお話に承った光悦屋敷でございますか、そうして、居抜きのまま、そっくりあなた様がお引取りになりました、それは結構なことでございます、おめでたいことでござります」「父が欲しいと申しましたが、わたしが引取ることになりました」「ああ、そのお父様のことでございます、はるばる甲州路から京大阪の御見物と申すは附けたりで、実はあなた様を見たいばっかりで、おいであそばしたそうでござりまするな、お会いになりましたか」「会いました」「それは功徳をなさいました、本来ならば、子が親を見つがなければならないのに、あなた様ばかりは、親御にそむいた罪が重いにかかわらず、それでも、親は子を思いきれないで、わざわざこの上方まで見においでになる、それなのに、会うの会わぬのとおっしゃる、あなた様の御了見が間違っておりましたが、これは今更申し上げたとて甲斐のないことでございます、ともかくも、首尾よく御会見になりましたとやら、それはそれは何よりの悦(よろこ)びでござります」「いいえ、別に、嬉しくも、おかしくもありませんでした、でも、会って悪いことをしたとは思いませんでした」「そのはずでございます、子が親に会うのが何で悪いことでしょう、お父上様のおよろこびが察せられます...
中里介山 「大菩薩峠」
...そっくり居抜きでお引取りになって...
中里介山 「大菩薩峠」
...油問屋の古い暖簾(のれん)を居抜きのまま買ったんだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...居抜きのまゝ売りに出してるンだが...
林芙美子 「浮雲」
...居抜きのままただの二千五百ドルでさらりと売りわたし...
久生十蘭 「復活祭」
...芝居抜きで歌と踊りだけやり...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...値段によっては居抜きでホテルを買ってもいいと...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...」わたしはなるべく居抜きにして...
室生犀星 「故郷を辞す」
...前経営者の奥田某氏から顧客附き負債附きの居抜きで譲りうけたらしい...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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