...ここに居坐る肚(はら)なのさ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...茶の室(ま)に居坐るほどのものが...
徳田秋声 「仮装人物」
...与えられた社会の秩序を一寸攪拌しただけで結局はその秩序にそのまま居坐るような文学もあるが...
戸坂潤 「思想としての文学」
...近江商人が最も恵まれた成功者だとすれば、近江農民は最も恵まれざる落伍者だということもできます――」「なるほど」「江州人だとて、皆が皆、そう他国へ進出して成功する者ばかりではありません、この国に残って兵馬の奴隷となり、或いは痩畑(やせばたけ)の番人とならなければならぬ運命に置かれた農民こそ、最も恵まれざる者と言うべきでしょう」二十一「かく、一方には他領他国へ進出して富を成す成功者があると共に、一方にはちょうさんすることさえ許されざる農民が存することは、おたがいよく考えてみなければならないことです」「なるほど」「外へ発展するの機運に恵まれず、内にとどまっていては、搾(しぼ)られて骨も身も食われてしまう、そこで、やむを得ず他領へ出奔せんとすれば、ちょうさん律があって、厳として身動きが許されない、下手な講釈師のやる荒柳美談ではないが、彳(たたず)むな、立つな、歩むな、居坐るな、というところが即ち農民の立場なのです」「なるほど、そうなりますと、いよいよ古(いにし)えの諺(ことわざ)にあるが如く、民に倒懸の苦ありということになりますな、農民は倒(さかさ)にブラ下がっているより仕方がないというわけですな」「なんにしても、ちょうさん律はよくありませんな、行動の自由、移住の自由を奪うということはよくありませんな...
中里介山 「大菩薩峠」
...徐州の太守に居坐るなどとは...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??