...そこにはこの宇宙艇の前方と後方と、それから両脇と上下との六つの方角が同時に見透(みとお)しのできる仕掛けによって、居ながらにして、宇宙艇のまわりの有様がハッキリと分った...
海野十三 「月世界探険記」
...居ながらにして見る富士は美(うるわ)しい...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...所謂『居ながらにして名所を知れる』歌人の比に非ず...
大町桂月 「白河の關」
...居ながらにして幽邃閑寂(ゆうすいかんじゃく)なる山峡(さんきょう)の風趣(ふうしゅ)を偲(しの)び...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...私有者は支払った労賃以上の価格で商品を売ることによって利潤を居ながらにして受け取るのである(無論この限りでの利潤は...
戸坂潤 「科学論」
...利潤を居ながらにして受け取るのである(無論この限りの利潤は...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...居ながらにして見せてくれるということは...
中里介山 「大菩薩峠」
...居ながらにして知ることが出来るのである...
中谷宇吉郎 「天地創造の話」
...居ながらにして心的境遇を一変する方法もあろう...
新渡戸稲造 「自警録」
...錢形平次は居ながらにして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...なるほど、そこの土壇(テラッス)の椅子に坐ると、居ながらにして、眼の下に墓地の全景を見渡すことが出来る...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...居ながらにして紐育(ヌウ・ヨルク)の歓楽境に遊ぶ思いが出来ようというのだからこれぐらいの人気が湧くのも無理はないが...
久生十蘭 「魔都」
...膜翅の類ひを居ながらにして八十種あまり採集した...
牧野信一 「魚籃坂にて」
...すなわち居ながらにして天下を巡狩(じゅんしゅ)しようという...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...――居ながらにして...
吉川英治 「折々の記」
...……ときに、わが呉は三江の要害にめぐまれ、居ながらにして、諸州の動向と成敗を見るに充分である...
吉川英治 「三国志」
...居ながらにして敵をふせぐということは...
吉川英治 「三国志」
...信長は居ながらにして美濃の四名将を味方に加えた...
吉川英治 「新書太閤記」
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