...ほおけた尾花のつづいた大野には...
芥川龍之介 「日光小品」
...紺青(こんじやう)の海(うみ)、千仭(せんじん)の底(そこ)よりして虹(にじ)を縱(たて)に織(お)つて投(な)げると、玉(たま)の走(はし)る音(おと)を立(た)てて、俥(くるま)に、道(みち)に、さら/\と紅(くれなゐ)を掛(か)けて敷(し)く木(こ)の葉(は)の、一(ひと)つ/\其(そ)のまゝに海(うみ)の影(かげ)を尚(な)ほ映(うつ)して、尾花(をばな)、枯萩(かれはぎ)も青(あを)い...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...同時に南瓜の葉が一面に波を打って、真黄色(まっきいろ)な鴎(かもめ)がぱっと立ち、尾花が白く、冷い泡で、糸七の面(つら)を叩いた...
泉鏡花 「薄紅梅」
...(十四日)▲芭蕉が奥羽行脚の時に尾花沢という出羽の山奥に宿を乞うて馬小屋の隣にようよう一夜の夢を結んだ事があるそうだ...
高浜虚子 「子規居士と余」
...元日 門松 萬歳 カルタ 松の内 紅梅 春雨 彼岸 春の山 猫の恋時鳥(ほととぎす)牡丹(ぼたん)清水 五月雨 富士詣(もうで)七夕 秋風 目白椎(しい)の実 秋の暮時雨(しぐれ)掛乞(かけごい)牡蠣(かき)枯尾花 鐘冴(さ)ゆるこう言ってもまだ諸君は...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...――めうがのこそれもふるさとのにほひをさぐる・おもひでのみち尾花墓場まで・ポプラに風も秋めいてきた坑木の堆積・こゝにわたしがつく/\ぼうしがいちにち・月のへちまの水がいつぱい・いつでも死ねる草の枯るゝや九月十一日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...あとは苅り残されの枯尾花(かれおばな)や枯葭(かれよし)の二三本...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...すすき尾花の中に西を向いている...
中里介山 「大菩薩峠」
...おどろおどろと茂る薄尾花の山科原の中から不意に猛然として風を切って現われたものがありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「桂どの」「亥太郎様」二人は尾花の蔭に...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
......
原民喜 「魔のひととき」
...まねく尾花の朝帰り……と小唄をうたい出した...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...尾花が白い穂波をあげて揺れているのが...
久生十蘭 「母子像」
...尾花や招き寄せたりし...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...尾花は普通には何本も一しょに出ますから...
柳田國男 「日本の伝説」
...彼は尾花屋へいって慥かめたが...
山本周五郎 「追いついた夢」
...尾花沢の総支配をしているのは相良です...
山本周五郎 「おばな沢」
...尾花川の家をおとずれる人々の心をとらえた...
山本周五郎 「日本婦道記」
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