...(このピヤノは後に吉原の彦太楼尾張屋の主人が買取った...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...この彦太楼尾張屋の主人というは藐庵(みゃくあん)や文楼(ぶんろう)の系統を引いた当時の廓中第一の愚慢大人で...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...日本の洋楽が椿岳や彦太楼尾張屋の楼主から開拓されたというは明治の音楽史研究者の余り知らない頗(すこぶ)る変梃(へんてこ)な秘史である...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...尾張屋とほむるものひとりもなし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...江戸で三井、鹿島、尾張屋、白木、大丸といったような、大阪で鴻池(こうのいけ)、炭屋、加島屋、平野屋、住友――京の下村、島田――出羽で本間、薩摩で港屋、周防(すおう)の磯部、伊勢の三井、小津、長谷川、名古屋の伊東、紀州の浜中、筑前の大賀、熊本の吉文字屋――北は津軽の吉尾、松前の安武より、南は平戸の増富らに至るまでの分限(ぶげん)を並べて、その頭のよいことに関守氏を敬服させた後、「それですから、ここに相当の金力の実力を持っている者がありとしますと、たとえば三井とか、鴻池とかいう財産のある大家の中に、先を見とおす人があって、これは東方が有望だ、いや西方が将来の天下を取るというようなことを、すっかり見とおして置いて、そのどちらかに金方(きんかた)をしますと、その助けを得た方が勝ちます、勝って後は、そのお金持がいよいよ大きくなります――それに反(そむ)かれたものは破れ、それが力を添えたものが勝つ、戦争は人にさせて置いて、実権はこれが握る、実利はこれが占める、政府も、武家も、金持には頭が上らぬという時節が来はしないか、わたしはそれを考えておりました」「御説の通りでございます――そこで、金持に見透しの利(き)く英雄が現われますと、天下取りの上を行って、この世をわがものにする、という手もありますが、間違った日には武家と共に亡びる、つまり大きなヤマになるから、堅実を旨(むね)とする財閥は、つとめて政権争奪には近寄らない、近寄っても抜き差しのできるようにして置く、さりとて、その機会を外して、みすみす儲(もう)かるべきものを儲けぬのは商人道に外れますから、時代の動きを見て、財力の使用を巧妙にしなければならない、天下の志士共は、今、政権の向背について血眼(ちまなこ)になっておりますが、商人といわず、財力を持つものも懐ろ手をして油断をしている時ではありません、ここで油断をすると落伍する、ここで機を見て最も有効に投資をして置くと、将来は大名公家の咽喉首(のどくび)を押えて置くことになる――ところでお嬢様、三井、鴻池などの身のふりかたはひとごと、これをあなた様御自身に引当ててごらんになると、いかがでございます、このまま財(たから)を抱えて、安閑として成るがままに任せてお置きになりますか、但しは、ここで乾坤一擲(けんこんいってき)――」不破の関守氏が、つまり今までの形勢論は、話の筋をここまで持って来る伏線でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...尾張屋ハ鼻ガアイタ故...
中里介山 「大菩薩峠」
...市ガ谷尾張屋敷の...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...いま尾張屋敷から出て来たことまで言い当てられたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あっしは深川の尾張屋の親分を呼んで来て...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...川を越して深川の尾張屋が乗出すようなことになると島吉の顔は丸潰(まるつぶ)れでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...深川の御用聞尾張屋の専吉をつれて来ると言って飛び出した鳶頭(かしら)が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あつしは深川の尾張屋の親分を呼んで來て...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...川を越して深川の尾張屋が乘出すやうなことになると島吉の顏は丸潰れでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...深川の御用聞尾張屋の專吉をつれて來ると言つて飛び出した鳶頭(かしら)が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...柳橋の芸者尾張屋新吉と似ている...
長谷川時雨 「モルガンお雪」
...蒲焼(かばやき)が好で、尾張屋、喜多川が常に出入した...
森鴎外 「細木香以」
...そして殆ど日々(にちにち)貞固を横山町の尾張屋に連れて往って馳走(ちそう)した...
森鴎外 「渋江抽斎」
...そこの新しいフォードに乗りかえて日本橋の尾張屋という壁紙屋へ行って壁紙と糊を買いまして...
夢野久作 「暗黒公使」
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