...半分がた散り尽くした桜の葉は真紅(しんく)に紅葉して...
有島武郎 「或る女」
...村の尽くるところに田が在る...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...そうしてむしろかえってさんざん道楽をし尽くしたような中年以上のパトロンと辛酸をなめ尽くして来た芸妓(げいぎ)との間の淡くして深い情交などにしばしば最も代表的なノルマールな形で実現されたもののようである...
寺田寅彦 「映画雑感(※[#ローマ数字7、1-13-27])」
...世界を埋め尽くした泥(どろ)の底に自分がうごめいているような気がしていた...
寺田寅彦 「球根」
...いやローマも全体を尽くしたものではありません...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...彼女はてきぱきした黙々たる心尽くしで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...稍々長き短篇小説『少年』の全篇は尽くこの肉体上の惨忍と恐怖とによつて作り上げられたものであるが...
永井荷風 「谷崎潤一郎氏の作品」
...尽く其の特徴が現はれ溢れてゐる...
永井荷風 「谷崎潤一郎氏の作品」
...人知の極を尽くして製造した文明人の食料であると叫ぶ...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...休戦の尽くる明朝は...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...2 長安一片の月万戸衣を擣つの声秋風吹き尽くさず総じて是れはこれ玉関の情なりき何れの日にか胡虜を平げて良人は遠征を罷めなん谷村さんは...
林芙美子 「清修館挿話」
...土地すでに尽くれば...
日野強 「新疆所感」
...この歌では「尽く」がそれに当る...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...幾久しく辛抱強く力を尽くしたが...
南方熊楠 「十二支考」
...このごろの源氏の心は明石の浦へ傾き尽くしていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...結婚するまでの女の子の教育に親は十分力を尽くすべきだと思う...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...出来れば頭の中から尽く消したかった...
横光利一 「旅愁」
...尊氏へ大功を尽くさせたばかりにあえなき死をとげさせた...
吉川英治 「私本太平記」
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