...さう聞けば尤もらしい...
芥川龍之介 「世之助の話」
...女として尤もらしい...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...先ず一番尤もらしい考えだった...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...何分にも確実な観察の資料がないから何らの尤もらしい推定さえ下すことも出来ない...
寺田寅彦 「颱風雑俎」
...又政治家は自己の失敗又は野心をば尤もらしい推理を考え出すことによって正当づけようと企てる...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...多くの尤もらしい信奉者を見出しはしないかを...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...仮に島木が今よりも遙かに尤もらしい社会的地位にでも登っていたとしても...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...つまり変に尤もらしい口吻をかりずに卒直に云えば...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...つまり現代における思想のエーヤポケット(併し思想というものが何を意味するかに根本問題があるということを予め注意しておこう)を充たすべき或る尤もらしいものでさえあればいいので...
戸坂潤 「思想としての文学」
...そんな尤もらしい顔は親分に似合いませんよ」「似合わなくて気の毒だが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...尤もらしい用事を拵(こしら)へて引つ張り出し...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いかにも尤もらしい偽装と巧みな操縦によって彼をまんまと丸めこんでしまったため...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...而もこの過(あやま)ちはいつでも私が苦しい困惑から逃れ出る爲めに機敏な言葉とか尤もらしい口實とかゞ特別に必要なと云ふやうな迫つた場合に起るのである...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...尤もらしい顔をしてあんなことをするのを見ると妾は...
牧野信一 「小川の流れ」
...」私が尤もらしいことを呟いでも...
牧野信一 「創作生活にて」
...茫漠たる想ひにばかり酔つてゐる己れの存在が周囲の者の内心に如何(どん)な悲しみを与へてゐることだらう――そんな弱々しく尤もらしい屈托などにまで走つた...
牧野信一 「雪景色」
...聞き手になっている飯尾さんの尤もらしい表情には母を憫れむような恩恵を施すような微笑が優しく動いている...
矢田津世子 「父」
...尤もらしい衣をまとったサタンなのです...
矢田津世子 「反逆」
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