...全然?――尤(もつと)も全然かどうかは疑問かも知れない...
芥川龍之介 「「仮面」の人々」
...尤(もつと)も新傾向の句は二三句しか作らず...
芥川龍之介 「わが俳諧修業」
...尤(もっと)も当時のタワイない低級小説ばかり読んでる読者に対して一足飛びにツルゲーネフの鑑賞を要求するは豚に真珠を投げるに等しい無謀であって...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...尤も今も云うように瞳は或る一点を睨(にら)みつめたまゝであり...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...いまかんがえれば尤もなふしがあるようにおもわれる」と...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...さういふ風に作者が考へたのも尤もだと点頭かれた...
田山録弥 「スケツチ」
...尤も元来、そうした理論がまだ立てられ得ない内に最も必要なものこそが統計だ、という事実から見て、統計のこの第二の役割はあまり切実なものではないかも知れない...
戸坂潤 「技術の哲学」
...尤もこの「涵養」ということは...
戸坂潤 「社会時評」
...尤もその場合扱ひ馴れないネタには一寸まごつくのであるが...
中原中也 「アンドレ・ジイド管見」
...彼の尤(もっと)も嫌うのは羅漢(らかん)の様な骨骼(こっかく)と相好(そうごう)で...
夏目漱石 「それから」
...――尤も手前は腹を立てると好い男になるぜ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「御主人様の御考えも一応は尤(もっと)もながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...尤も、御當家の亡くなつた御内儀は、昔、宇古木樣の許婚だつたと申すことで、本心のところはよくわかりませんが」「あの人の眼は本當に見えないのだらうな」「ほんの少し、隅の方から見えるといふことですが」「足は?」「足は中年からの骨の患(わずら)ひで、ひどい跛足(びつこ)を引けば、歩けないことはありません」「八、わかつた」平次は不意に立上がりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...尤も、あの下女のお友といふのは出戻りださうで、世帶の苦勞も情事(いろごと)の苦勞も劫(こふ)が經てゐますから、妙なところへ眼が屆きますよ」「――」「佐太郎が惚氣交(のろけまじ)りに話したことや、内儀と米吉が、夜も晝も奧の部屋に籠つて、綾取り双六(すごろく)、毬(まり)つきと、他愛もないことばかりして遊んでゐることも、あの女が見屆けてくれましたが」「それから?」「それつきりですよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...尤も噂は物が歴史に入る入口に過ぎぬ...
三木清 「人生論ノート」
...尤(もつと)も一年中そんなことばかりはなかつたが...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...そして咲枝の悲観するのも尤もと思われます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いかに特殊な処方の乾電池とはいえ精々もっても後四時間程度なのが明白だった――尤も...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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