...尤も本当に帰艦したわけではなく...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...………尤(もっと)もそれも...
谷崎潤一郎 「細雪」
...尤(もっと)も最初の二三回は...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...尤もE・フッセルルの現象学的術語は...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...彼等は正さしく口碑的豪傑の尤なるものである...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...尤も詩に關したものが多いけれども釋詁篇や釋訓篇の時代とは確に違ふやうで...
内藤湖南 「爾雅の新研究」
...尤もこれは蒙古襲來の時の我邦のやり方に驚いて居つたからでもありませうが...
内藤湖南 「日本文化の獨立」
...「ほんとうに、このお姿を殿様に、一目でも見せてお上げ申したいと思います」「尤(もっと)もだ、尤もだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...知らぬといふのは尤ものことである...
長塚節 「芋掘り」
...尤も彼とは逢ふ機會もなくて過ぎてしまつたのである』夜はふけた...
長塚節 「開業醫」
...御腰元の中から手本になる方を一人拝借いたし度(と)う御座いますが」「尤(もっと)もなことだ...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...ところで今晩は命がけの仕事をするんだが、附き合つてくれるかい、八」「へツ、附き合つてくれるかい――は水臭いね、親分の前だが、憚(はゞか)り乍ら命には糸目をつけねえ」「豪儀だね、尤も、金に糸目をつけたくも、御同樣百も持つちや居めえ」「ちげえねえ」氣が揃つた二人、それから仕度をして、薄暗くなる頃から長崎町川口町一帶を張りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――尤(もつと)も世の中に病人が一人もなくなつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――尤もあの晩は大層うまかつたといふが」「――」「見ろ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...尤も、拳固(げんこ)を七三に構へたやうな、間の拔けた彌造を拵へて、メロデーのない鼻唄か何んかを唸(うな)りながら、江戸中を驅け廻つて居るからこそ、時々は素晴らしいニユースを嗅ぎ出して來て、平次に溜飮を下げさせてくれる八五郎でもありました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...尤も当地の羊肉はわれわれザポロージェの品とは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...尤も私は、斯んな風にでもしたら凧のことなどは他易く思ひ切れて、創作にも取りかゝれるかも知れないといふ望みも抱いて来たのであつた...
牧野信一 「鱗雲」
...塾生の告白を尤もであると認め...
山本周五郎 「季節のない街」
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