...尤も身ぶりはしなかつた訣ではない...
芥川龍之介 「河童」
...尤も其噂は嘘でございましても...
芥川龍之介 「地獄変」
...尤も以て大幸たり...
太宰治 「右大臣実朝」
...尤も甘心すと雖も...
太宰治 「右大臣実朝」
...尤(もっと)もそれには...
谷崎潤一郎 「細雪」
...尤も福子は年も若いし...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...尤(もっと)この頃自分で油絵のようなものをかいているものだから...
寺田寅彦 「ある日の経験」
...尤も物質には無限の部分があり...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...尤も今まで述べて来た処が全く一つの仮定の上に立っていることを...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...尤も之は棍棒で殴られたり何かするのに較べれば...
戸坂潤 「社会時評」
...それからその予算割あてのおかげで二十五分の一位いしか配慮されない農村(尤も政府は農民とは云わず又失業半失業労働者乃至勤労者のことはあまり考えない)の民力はたしかに疲弊するだろう...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...尤も代助の方では...
夏目漱石 「それから」
...尤も仕掛を考へ出せば別だ」「あの蓋は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...尤もあれまでに企(たく)まなさや...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...足袋の始末をしなかったのが手ぬかりだが、俺はもうその前から曲者は浪之進と睨(にら)んで居たから、いずれにしても長い娑婆はなかったわけさ」「ところで、長崎屋の後はどうなることでしょう親分」「安心しろよ、お前を聟に欲しいとは言わないだろう」「へッ、気になりますね、それはともかく、和蘭(オランダ)の銭を持って居たのは飛んだ仕合せでしたね」「鍋蓋(なべぶた)という道具には気がつかなかったよ、――いや、恐ろしいことだ、――尤も、あのとき和蘭の銭を投げるために十手を左手に持ち換えたのをあの浪人者が気が付かなかったのは天罰さ」平次はつくづく自分の特技に慢じてはいけないと反省した様子です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...自分もそれを尤もだと思えばこそ...
柳田國男 「書物を愛する道」
...尤(もっと)も常から少し遅鈍な質(たち)の青年であった...
柳田国男 「山の人生」
...尤も震災後まだ二年にはならぬが……...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
便利!手書き漢字入力検索