...古き思想を新しき獨創として誇説する無學者の姿程醜くも慘ましくも滑稽なるものは尠い...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...何か聞こえが明るいから両方同じくらいの程度に雷の尠いところなら...
橘外男 「雷嫌いの話」
...人数こそ尠いが、この行為は戦争だよ...
林不忘 「安重根」
...内容を豊富にしようと心がける人は非常に尠い...
田山録弥 「解脱非解脱」
...純な『自然らしさ』を持つてゐるものが甚だ尠いといふことである...
田山録弥 「小説新論」
...真に理解して呉れるものゝ尠いといふ上に起る作者の嘆声としては...
田山録弥 「墓の上に墓」
...通詞の食祿は尠い方ではなかつた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...その「脇荷」的輸入方法からまつたく無關係に勉學し得た場合の方がむしろ尠いかも知れぬ...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...私の友人中には中小商工業者が尠いので問題にしないでおこう...
戸坂潤 「友情に関係あるエッセイ」
...「ソフィスト」の樣に世間に行はれて居る倫常を馬鹿にするといふ樣な態度は尠いのである...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...それより數は尠いが...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「受動的抵抗の理論と實行」
...船の大きな割りにボウト積載数の尠いことなど誰も気に留めなかった...
牧逸馬 「運命のSOS」
...貧乏であったが健康で怒ることの尠い妻だった母を見て来たのだと思うと...
宮本百合子 「海浜一日」
...買い集めようとする人の尠い...
宮本百合子 「くちなし」
...勿論いい夫婦というに足りる夫婦は大変に尠い...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それだけ互を人間として尊重し評価し愛して同体となっているのは尠いけれども...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一常は無駄口の尠い唐沢周得氏が...
矢田津世子 「女心拾遺」
...諸氏に囑する問題は尠いし...
吉川英治 「折々の記」
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