...俯向いて足の爪尖(つまさき)を瞠め乍ら...
石川啄木 「葬列」
...しばらく指の尖(さき)で掻探さねばならなかったほど...
泉鏡花 「婦系図」
...鋤の尖に何か固いものがぶつかった...
魯迅 井上紅梅訳 「白光」
...焼けのこった機翼の尖端(せんたん)に...
海野十三 「空襲葬送曲」
...そはたゞ尖りたる絶頂のみにて...
大町桂月 「近藤重藏の富士山」
...またその包みは年中杖の尖(さき)にぶらさげて持ちあるいているのである...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「乞食」
...(十一月×日)富士を見た富士山を見た赤い雪でも降らねば富士をいい山だと賞めるには当らないあんな山なんかに負けてなるものか汽車の窓から何度も思った回想尖(とが)った山の心は私の破れた生活を脅かし私の眼を寒々と見下ろす...
林芙美子 「新版 放浪記」
...太平洋戦争前まで尖鋭な文学論の筆をとつてゐた...
原民喜 「二つの死」
...意志的な厚い唇を尖らせた...
本庄陸男 「石狩川」
...爪尖上(つまさきあ)がりの道がまた六十里ある...
森鴎外 「寒山拾得」
...尖塔(ピラミッド)の下の園にて姫たちいま遊の最中(もなか)なり...
森鴎外 「文づかひ」
...まる顔で頭が尖(とが)っているため...
山本周五郎 「橋の下」
...この尖端芸術とか...
夢野久作 「道成寺不見記」
...海関の尖塔が夜霧の中で煙り始めた...
横光利一 「上海」
...西洋館の方の塔みたいな屋根の尖(さき)に...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...槍尖(そうせん)の電光...
吉川英治 「新・水滸伝」
...紀伊半島の尖端に近い漁港まで行こうというわけである...
吉川英治 「随筆 新平家」
...助かるでしょうか」「切ッ尖だからの...
吉川英治 「無宿人国記」
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