...根拠地は例によって雲龍寺だったが、一日小閑を得て、二三の青年と雑談に時をすごした...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...くたくたに疲れて、小閑を得たとき、蝋燭(ろうそく)の灯の下で懸命に書いたのだろう...
太宰治 「鴎」
...小閑を得る度毎に...
太宰治 「このごろ」
...この小閑を利用して...
中里介山 「大菩薩峠」
...いそがしい父の小閑(ひま)を見ては膝(ひざ)をすりあわせるようにして座りこんでいた...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...小閑を得て訪(おと)ずれると...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...今日は稲扱きの小閑を盗んで村民運動会である...
葉山嘉樹 「運動会の風景」
...紅塵万丈(こうじんばんじょう)の中この一小閑地を残して荒涼たる山間の趣を留む...
正岡子規 「四百年後の東京」
...眼に見えざるもの小閑に膝を抱へて...
吉川英治 「折々の記」
...おたがひに小閑をもつ身となつてからの交りのはうがずツと深かつた...
吉川英治 「折々の記」
...一ぷく喫しようか」「忙裏(ぼうり)の小閑は命よりも尊し――とか...
吉川英治 「三国志」
...小閑(ショウカン)...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして、この小閑に、体を遊ばせてみると、すぐ体をもてあます自身に気づいて、「おれは、何という、無芸無趣味な人間だろう」と、自分で感心したりした...
吉川英治 「新書太閤記」
...四月八日に、その鍬(くわ)初めの式は挙げられたが、着京以来、彼は、夜の小閑に、杯も持たなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...兵馬の訓練は将士一体のことだが、個々の小閑には、書を読むもあり、酒をたのしむもあり、禅をやるのもあろう...
吉川英治 「新書太閤記」
...これは小閑のあそびといえ...
吉川英治 「新書太閤記」
...敵前の小閑だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...薔薇を植えた者が、自ら薔薇を刈るに似ているが、小閑の鋏で、あちこち、少し史実と創意の枝とを剪定(せんてい)して、この一輯を束ねておくことにした...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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