...小糠雨(こぬかあめ)...
石原純 「雨粒」
...小糠虫(こぬかむし)を...
泉鏡花 「薄紅梅」
...正造は俥の幌もかけず小糠雨の中を渡瀬村の下早田へ来た...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その日は朝から小糠雨が降りしきっていたが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...小糠(こぬか)のような雨が生暖かいむんむんするような春の気を部屋一杯に垂れ込めて...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...お品(しな)は勘次(かんじ)が梯子(はしご)を掛(か)けて一(ひと)つ/\に大根(だいこ)を外(はず)すのも小糠(こぬか)を筵(むしろ)へ量(はか)るのも白(しろ)い鹽(しほ)を小糠(こぬか)へ交(ま)ぜるのも滿足氣(まんぞくげ)に見(み)て居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...小糠三合ほどの遠慮があり...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...旦那は小糠(こぬか)三合の入聟ですもの...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...やがて小糠雨(こぬかあめ)を羽織に浴びながら...
林芙美子 「新版 放浪記」
...小糠雨を十ちゃんの羽織に浴びながら...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...小糠雨の中を躍るようにマンノーを振りかぶり...
「共同耕作」
...高館に登りて見れば小糠雨烟りて寒く朽ちかけし家のほとりの高き木に鳴く蝉かなし苔かほる古き木に倚りその昔の人をしのべど木々に吹く風も寂しく消えて行く思ひ儚し遠山の淡くけむりて北上は北の果よりその昔の夢を語らずうね/\とうねりて流る故郷を遠くはなれて旅に見る夢跡かなし生ひ繁る草木の緑高館に吹く風寒し...
森川義信 「高館」
...小糠(こぬか)三合持ったらという俗言は決して誇張じゃありませんよ」「それならそれでいいけれど...
山本周五郎 「末っ子」
...二月二十六日の春寒い小糠雨(こぬかあめ)の朝は明けていた...
吉川英治 「私本太平記」
...春の小糠雨(こぬかあめ)は急に山からと海からとの風に掻きまわされて...
吉川英治 「私本太平記」
...終日のぬかるみと小糠雨(こぬかあめ)にまみれた姿で京都につき...
吉川英治 「私本太平記」
...白い小糠星(こぬかぼし)は有明(ありあ)けに近い空をいちめんに占(し)めていた...
吉川英治 「親鸞」
...月と小糠星(こぬかぼし)ほども格のちがう大先輩に見参に入るのだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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