...小気味のよいほどしたたか夕餉(ゆうげ)を食った漁夫たちが...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...かえって小気味がいい...
大杉栄 「獄中消息」
...その男どもをステンステンと小気味よく投げ飛ばすというような「夢」を夢見たら...
高見順 「如何なる星の下に」
...初めのうちこそ生活の単調を小気味よく破ってくれもし...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...強い紫外線と烈しい低温とに鍛練された高山植物にはどれを見ても小気味のよい緊張の姿がある...
寺田寅彦 「浅間山麓より」
...さては一と口申込んで小気味よく弾かれたろう」「へッ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小気味がいゝ位に世の中が変つた」しんみりと...
林芙美子 「浮雲」
...人は小気味よく働いてくれるものだと云ふ事もきんは知つてゐた...
林芙美子 「晩菊」
...世にある頃の唐桟(とうざん)ぞろひに小気の利(き)いた前だれがけ...
樋口一葉 「十三夜」
...」私は小気味好さを覚えながらゼーロンに向ってそんな耳打ちをした...
牧野信一 「ゼーロン」
...小気味よさに堪えかねて来る長崎屋...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「朴訥(ぼくとつ)な孝行者が忽(たちま)ち小気の利いた苦労人になつてしまひ...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...自分のすきでない共産党や共産党員がやっつけられるという小気味よさにだまされて...
宮本百合子 「新しい抵抗について」
...今井 小気味のいい奴だなあ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...呼ぶわけにもゆかないので、そのままにしていると――一番に振られたのが、「本阿弥(ほんあみ)の極(きわ)めつき、堀川国広(ほりかわくにひろ)の脇差(わきざし)、目貫(めぬき)は白魚(しらうお)に蛇籠(じゃかご)、うぶご磨上(すりあ)げなし! ……」と叫ばれた大名物(だいみょうもの)の刀ですが、所詮、ここで見たのでは、小気味が悪くて、金吾の愛刀心もそそられたものではありますまい...
吉川英治 「江戸三国志」
...小気味よげに嘲笑(あざわら)って雲霧がそこから影を消してから...
吉川英治 「江戸三国志」
...小気味(こきみ)のいい一喝(かつ)がツンざいた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...――それで画が小気味よく統一せられている...
和辻哲郎 「院展遠望」
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