...小村さんが、まばらな竹の木戸を、手を拡げつつ探り当てて、「きっと飲ませますよ、この戸の工合(ぐあい)が気に入りました」と勢(いきおい)よく、一足先に上ったが、程もあらせず、ざわざわざわと、落葉を鳴らして落来るばかりに引返して、「退却……」「え、安達(あだち)ヶ原ですか...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...いかにもつつましげな静かな小村(こむら)である...
伊藤左千夫 「落穂」
...一身田を離れると中野村と云う小村が来た...
田中貢太郎 「雁」
...小村は口をきくよりも先きに頭振(かぶ)りをふって...
近松秋江 「狂乱」
...今の林外務大臣を始め、小村壽太郎、加藤高明、高平小五郎、原敬等の諸氏を重用して、外交政略の効果を大ならしめたるものは伯に非ずや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...日本の茶室を思わせるような小村を造り...
野上豊一郎 「パリの地下牢」
...平常(ふだん)小村の左利きを冷(ひや)かして居ました」「可怪(おか)しいぞ」「足の勇」は...
野村胡堂 「死の予告」
...故小村公使の尽力で...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...小村菊夫とはたつた一度しか逢つたことのない間柄だが...
原民喜 「二つの死」
...十軒ばかりの山あいの小村それと思(おぼ)しきも見えず...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...小村は真赤な顔して不興気(ふきようげ)に口を閉ぢた...
眞山青果 「茗荷畠」
...小村も流石(さすが)にムツとした...
眞山青果 「茗荷畠」
...小村さんというのはすぐ裏手の...
矢田津世子 「神楽坂」
...すなわち漁民の小村であった...
柳田国男 「海上の道」
...小村はふとした好奇心を満足させるためにした行為が...
山下利三郎 「流転」
...おれが五十日がかりで繕ったんだ」小村屋という名は繁次も聞いていた...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...山の麓には小村が點在してゐる...
吉江喬松 「山岳美觀」
...その小村はもう彼女の後に遠くなつて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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