...小庭を前にした椿岳旧棲の四畳半の画房も皆焦土となってしまった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...落ちた花は朽ち腐れて一種甘いような強い香気が小庭に満ちる...
寺田寅彦 「花物語」
...線香花火夏の夜に小庭の縁台で子供らのもてあそぶ線香花火にはおとなの自分にも強い誘惑を感じる...
寺田寅彦 「備忘録」
...駝師(うえきや)が剪裁(せんさい)の手を尽した小庭を通って...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...小庭と言われてるものがあった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...日当たりの悪いオーステルリッツの小庭では少しも成功しなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...厠(かわや)へ出る縁先(えんさき)の小庭に至っては...
永井荷風 「妾宅」
...古ぼけた葭戸(よしど)を立てた縁側(えんがは)の外(そと)には小庭(こには)があるのやら無いのやら分(わか)らぬほどな闇(やみ)の中に軒(のき)の風鈴(ふうりん)が淋(さび)しく鳴り虫が静(しづか)に鳴いてゐる...
永井荷風 「すみだ川」
...打水(うちみず)の乾かぬ小庭を眺め...
永井荷風 「夏の町」
...妻はいつものように小庭にのぞんだ座敷でシャツに火のしをかけながら...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...前述の金車なども猫の額ほどの小庭に...
正岡容 「寄席風流」
...寄席の小庭のかそけさ美しさこそは...
正岡容 「寄席風流」
...小庭と為(し)て小松をひしと植えられたりとある...
南方熊楠 「十二支考」
...鶏舎との間に昔からのザクロや大名竹を植えた小庭があり...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...小さい石燈籠(いしどうろう)の据えてある小庭になっていて...
森鴎外 「心中」
...東京の町内の三十坪か五十坪の小庭に...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...方丈の側面の小庭に古木の梅あり...
夢野久作 「白くれない」
...どこがどうちがうのです」「家の小庭には花を作り...
吉川英治 「私本太平記」
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