...一………それは小ぢんまりと出来上った...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...細田氏の宏壮な構(かまえ)の前には広い空地(あきち)があって其の中を一本の奇麗な道が三十間程続いてその向うに小ぢんまりとした借家(しゃくや)が両側に立ち並んでいました...
海野十三 「三角形の恐怖」
...その下を小ぢんまりと蘆垣で囲っているのがあった...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...子供もなく夫婦二人きり全くの水入らずでほんとうに小ぢんまりとした...
寺田寅彦 「俳諧瑣談」
...国直が人情本の挿絵はこれに反して小ぢんまりとしたる裏住居(うらずまい)の生活の余裕を描き示したるものといふべし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...これほど小ぢんまりと几帳面(きちょうめん)に暮らして行く彼らは...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...小ぢんまりとして居る所が好い...
萩原朔太郎 「石段上りの街」
...洋風建築の小ぢんまりとした姿を見せた...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...村の北にある小ぢんまりとした森のなかに場所を選んで...
堀辰雄 「ふるさとびと」
...そこの小ぢんまりとした庭を往ったり来たりしながら...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...小ぢんまりとして綺麗な顏ではあるが...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...夫婦二人きりで小ぢんまりと暮してゐた...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...すぐ近所の小ぢんまりとした家に御気に入りの女中と地獄の絵と小説と着物と世帯道具をもって特別に作られた女はうつった...
宮本百合子 「お女郎蜘蛛」
...この連中は小ぢんまりとしたものをこしらえ直して暮そうという計画なのです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...島田の家も住居はもう少し山よりの方へ奥へ小ぢんまりと引こめて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何と云ふ小ぢんまりとした主人公だらう! と...
三好達治 「測量船拾遺」
...母は小ぢんまりとちぢこまつて床の中へはいつた...
室生犀星 「故郷を辞す」
...無月の晩などは、狭いだけあって、左の家は、小ぢんまりと、衣桁(いこう)に紅い友禅(ゆうぜん)などが見える...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
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