...もう鬼灯(ほおづき)ほどの小ささに点々と赤く動いていました...
芥川龍之介 「開化の良人」
...どれだけの小ささの火花で...
中谷宇吉郎 「「もく星」号の謎」
...その握(にぎ)り拳(こぶし)の小ささと...
夏目漱石 「門」
...無辺際(むへんさい)に大きな世界がそこに凝縮(ぎょうしゅく)されている小ささであった...
新美南吉 「花をうめる」
...とはいってもお父さんの側にも――少なくとも私にはそう思われるのですが――ある種の気持の小ささというものがありましたね...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...しかしそれにあき足りない本能はうごめいているが、目やすがないから女子供の書くものの面白さに行ったり、今日婦人の作家が健全に成長し得ない、その低さ小ささ、その罪なさ(愚にも近づき得る)のなりに、所謂現象的擡頭をしている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...青く澄んだ空の高いところをハイカラな小ささに切れた雲がゆつくり安心して一つづつ一つづつ流れてゆく...
三好達治 「測量船拾遺」
...自分は決して今の小ささでいたくないことや...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...私は、こうした兄の悲劇を思うとき、「私の家は日本一小さい家だ」ということを、しばしば人に説いてみようとするが、じつは、この家の小ささ、という運命から、私の民俗学への志も源を発したといってよいのである...
柳田国男 「故郷七十年」
...それもきっちりした形の小ささで...
柳田国男 「故郷七十年」
...帆を拡げかけた帆船が欄干の下を通って行く小ささを見降し...
横光利一 「旅愁」
...まして人間の小ささ――一個の自己のごときは――と劉備は...
吉川英治 「三国志」
...さしもの英傑豪雄の徒も人間の小ささを...
吉川英治 「三国志」
...瞳孔の小ささをわらった...
吉川英治 「三国志」
...一箇の木の実が落下する小ささに似ていた...
吉川英治 「私本太平記」
...まだ成人の骨格をさえしていない少年の肩の小ささを感じながら...
吉川英治 「私本太平記」
...小ささには秀吉決して驚きませんが...
吉川英治 「新書太閤記」
...その頬の円さ、口の小ささ、唇の厚さ、相接近した眉の濃さ、そうして媚(こび)のある眼、――誇大して言えば少し感性的にすぎる...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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