...彼女と此の兎唇(みつくち)の大名とが水入らずで対坐している閨(ねや)の光景が見たくてならなかった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...二人(ふたり)は暫く黙って対坐していた...
豊島与志雄 「生あらば」
...そして二人は長い間対坐していた...
豊島与志雄 「古井戸」
...婆さんは例の朗読調をもって「千八百四十四年十月十二日有名なる詩人テニソンが初めてカーライルを訪問した時彼ら両人はこの竈の前に対坐して互に煙草(たばこ)を燻(くゆ)らすのみにて二時間の間一言(ひとこと)も交(まじ)えなかったのであります」という...
夏目漱石 「カーライル博物館」
...今こうやってあなたと対坐していられるのは...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...座敷で私と対坐(たいざ)している時...
夏目漱石 「こころ」
...三の三代助は今(いま)此(この)親爺(おやぢ)と対坐してゐる...
夏目漱石 「それから」
...百三十一お延とお秀が対坐(たいざ)して戦っている間に...
夏目漱石 「明暗」
...十一床の間の前に碁盤を中に据(す)えて迷亭君と独仙君が対坐している...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ひっそりと対坐している...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...対坐するとき視線をぼやかそうという心なのかもしれない...
久生十蘭 「ノア」
...当時彼の写本を得て両人対坐...
福澤諭吉 「蘭学事始再版之序」
...卓を隔てて保さんとわたくしとは対坐した...
森鴎外 「渋江抽斎」
...真名女は靱負之助とただふたり対坐していた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...雅楽頭と大和守は対坐していた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...対坐している客との...
吉川英治 「大岡越前」
...しずしず俊基の前に来て対坐のうえ...
吉川英治 「私本太平記」
...一見、醜男(ぶおとこ)で鈍重らしく見えるが、対坐して、この人のぽつりぽつり物を云うのを聞きながら眸を見、起居振舞(たちいふるまい)を見ていると、何ともいえぬ静かな心持になるとは、誰も等しく云う事だった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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