...寺侍が住んでゐた長屋...
津村信夫 「挿頭花」
...拜呈清見寺侍衆閣下」といふのであるが...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...現在の米友の仕事は、ここで、雑巾(ぞうきん)がけをするだけのことですが、そのうちに、寺侍たちが、いつか米友の槍の達人であることを知って、今では折々その師範役を兼ねているような有様ですから、寺内でもなくてならない人のようになっています...
中里介山 「大菩薩峠」
...かえって寺侍の一人が...
中里介山 「大菩薩峠」
...武家と申しても寺侍(てらざむらひ)で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...元は上方生れ、公卿侍(くげざむらひ)の子で、二十年前に不心得な母親に逃げられ、間もなく亡くなつた父親に言ひ含められて、父親に代つて女敵討(めがたきうち)を心掛けて居るといふ――大變な男ですよ」「その母親と逃げた男は、増田屋金兵衞だらう」「その通りで、昔は坂井金兵衞と言つて、これは寺侍、歌や發句や風流事は上手だが、武藝の方は一向いけないのはその爲だ」「それから?」「その春木道夫の椿三千麿が、漸く坂井金兵衞を搜し當てると、麻布十番の増田屋金兵衞となつて、うんと金を溜めて納まつて居る、その金兵衞と上方から逃げた母親は二十年も前に死んでしまつて、今は怨を言ふ相手もないが、せめて金兵衞の懷ろへ飛込んで、亡くなつた父親の怨を晴らす積り、淺草のやくざを語らつて、麻布十番の増田屋へ入り込んだ――此處まではわかりましたがね」「有難い、それ丈わかれば」「椿三千麿を縛れるでせう、金兵衞を松に吊つたのも、廊下で刺したのも、あの若侍に違ひありませんよ」「待て/\八、松の木に吊(つ)られた金兵衞を繩を切つて助けたのは、あの椿三千麿ぢやないか」「へエ?」「廊下で刺したのも、三千麿のやうな氣がしない、刀に血が附いて居なかつた――いや刀は外にもう一口(ひとふり)位はあるだらうが、三千麿が曲者なら、ワケも無く金兵衞を殺せた筈だ、兎も角、増田屋へ行つて見よう」「さうですか」八五郎は珍らしく氣の進まないやうな顏をするのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...上野の寺侍だったという祖父...
堀辰雄 「花を持てる女」
...上野の寺侍の住みそうな門のまえで降ろされた...
吉川英治 「大岡越前」
...病魂善性十数軒もある寺侍の屋敷町のうちの一軒だが...
吉川英治 「大岡越前」
...寛永寺の僧や寺侍のうちには...
吉川英治 「大岡越前」
...馘(くび)を承知でやって来たか」寺侍らしいその男は...
吉川英治 「大岡越前」
...輪王寺の宮の寺侍...
吉川英治 「大岡越前」
...声ひそませて協議していた役僧の寺侍たちは...
吉川英治 「大岡越前」
...寺侍の大内不伝か」藪八が...
吉川英治 「大岡越前」
...江戸(えど)の蝙蝠(こうもり)上野を追放になった寺侍の大内不伝は...
吉川英治 「大岡越前」
...やがて、「やっ、あんな所に」見つけたとみえて、寺侍たちは、わらわらと丘の下へ駈けてきた...
吉川英治 「親鸞」
...先刻(さっき)から側には中堂の寺侍を二...
吉川英治 「宮本武蔵」
...中堂の寺侍たちは...
吉川英治 「宮本武蔵」
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