...寸時に振り返ったら、自分一人になっていた...
...あの人は、寸時ためらわずに行動する...
...寸時の隙に、彼はドアを開けて逃げ出した...
...事故が起こったとき、寸時の判断が命を救うこともある...
...彼女の演技は、寸時の表情の変化やしぐさにも表れている...
...紙鳶挙ぐる子供の、風の神弱し、大風吹けよと、謡ふも心憎しなど、窓に倚りて想ひを碧潭(へきたん)の孤舟(こしゅう)に騁(は)せ、眼に銀鱗の飛躍を夢み、寸時恍惚たり...
石井研堂 「元日の釣」
...」鴈治郎は一寸時計を振つてみた...
薄田泣菫 「茶話」
...寸時もお雪のような心持ではいられない苦労性の自分が...
徳田秋声 「爛」
...寸時の躊躇の後、私は手探り足探りで、窓の方へ近づいて行った...
豊島与志雄 「囚われ人」
...彼(かれ)は到底(たうてい)寸時(すんじ)も其(そ)の家(いへ)に堪(た)へられなく成(な)つて...
長塚節 「土」
...赤(あか)い(おき)を包(つゝ)む白(しろ)い灰(はひ)を寸時(すんじ)の猶豫(いうよ)をも與(あた)へないで吹(ふ)き捲(まく)つた...
長塚節 「土」
...さば雲もろとも融けること、――すがすがしさにうべなはれ、曙(あけぼの)が、森に満たするみづみづし菫の上に息絶ゆること!恥刃(は)が脳漿を切らないかぎり、白くて緑(あを)くて脂(あぶら)ぎつたるこのムツとするお荷物のさつぱり致そう筈もない……(あゝ、奴は切らなけあなるまいに、その鼻、その脣(くち)、その耳をその腹も! すばらしや、脚も棄てなけあなるまいに!)だが、いや、確かに頭に刃、脇に砂礫(こいし)を、腸に火を加へぬかぎりは、寸時たりと、五月蠅((うるさ))い子供の此ン畜生が、ちよこまかと謀反気やめることもないモン・ロシウの猫のやう、何処(どこ)も彼処(かしこ)も臭くする!――だが死の時には、神様よ、なんとか祈りも出ますやう……若夫婦部屋は濃藍の空に向つて開かれてゐる...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...あまり遠からん内に自分は死ぬるであろうという念が寸時も頭を離れなかった...
正岡子規 「死後」
...寸時のやすみもなしに叫びつづけてゐた...
三好達治 「海辺の窓」
...有名な刺繍屋さんよ」「ああ、あの人が、ねえ」中尾は、感動をもって、寸時、黙した...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...寸時も天子のお側を離るることなからん...
吉川英治 「三国志」
...寸時、ご談合いただけますまいか」「うるさいな、再三」だまって奥へ引っこんでしまった...
吉川英治 「私本太平記」
...寸時、別れに来たのだ」藤吉郎は奥へ坐っていう...
吉川英治 「新書太閤記」
...そしてややしばし、返辞もして来なかったが、やがて、城門の一方を少しひらいて、「御老職の藤掛(ふじかけ)三河守どのでよろしければ、寸時、お眼にかかってみようと仰せられるが、それでよろしくば」と、中へ促(うなが)し、なおつけ加えて、「御主君長政様には断じてお眼どおりかないませぬぞ」と、念を押した...
吉川英治 「新書太閤記」
...寸時も一道に安まってはいなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...追ッつけ知れよう」寸時の後...
吉川英治 「新書太閤記」
...そこでの限られた寸時の別れをお互いに泣いて惜しみあう機会はえたが...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ほんの寸時を措(お)いていただけなのだった...
吉川英治 「新・水滸伝」
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