...彼が旗下の桃李寥々たりしにも関らず...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...畢竟蒹葭堂主人は寥々(れうれう)たる著書と画との外に何も伝へなかつたと言はなければならぬ...
芥川龍之介 「僻見」
...俳句からいったら少しも珍しくないのでありますが――になりますとまことに寥々(りょうりょう)として数えるほどのものしかありません...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...そりゃ寥々たるものにはちがいないさ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...古来邦画家は先人の画風を追従するにとどまって新機軸を出す人は誠に寥々(りょうりょう)たる晨星(しんせい)のごときものがあった...
寺田寅彦 「知と疑い」
...此書の如き寥々たる短篇中に...
内藤湖南 「敬首和尚の典籍概見」
...シカシテ遊客寥々(りょうりょう)トシテ尽日(じんじつ)舟車ノ影ヲ見ザルハ何ゾヤ...
永井荷風 「向嶋」
...みんな嘘っぱちばかりの世界だ!甲州行きの終列車が頭の上を突きさした百貨店(マーケット)の屋上のように寥々とした全生活を振り捨てゝ私は木賃宿の蒲団に静脈を延ばした列車にフンサイされた死骸を私は他人のように抱きしめて真夜中煤けた障子をいっぱい明けるとこんなところにも月がおどけていた...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...隣りの豐前に寥々として居るのは伊豫からの交通の關係から怪むに足らぬのである...
原勝郎 「鎌倉時代の布教と當時の交通」
...従て日本では役立つ有用植物の本が寥々である...
牧野富太郎 「植物記」
...果は「悠々たる哉天壌、寥々たる哉古今、五尺の小躯を以てこの大をはからんとす、ホレーショの哲学そもなにするものぞ」なんて、その書置きを暗記して、朗読して喜ぶ...
三浦環 「お蝶夫人」
...寂寥々とした哀愁が...
宮本百合子 「偶感一語」
...ちょんまげは力士以外に寂々寥々...
山本笑月 「明治世相百話」
...寥々(りょうりょう)たる星のごときものであろう...
吉川英治 「大岡越前」
...寥々(りょうりょう)たる兵力しか数えられなかった...
吉川英治 「三国志」
...それに鎌倉じゅうは無人寥々(りょうりょう)なさいであったから...
吉川英治 「私本太平記」
...ただ寥々(りょうりょう)たる夕闇があるだけだった...
吉川英治 「新書太閤記」
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