...ことに教会は互いに相離れ遠(とおざ)かりければこの新来の宗教を信ずるものは実に寥々寂々(りょうりょうせきせき)たりき...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...われわれはまた諸君のために決して犬馬の労を厭うものではない……」拍手の音は寥々たるものであった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...いわんや婦人にいたっては寂々寥々(せきせきりょうりょう)たるものであった...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...古来邦画家は先人の画風を追従するにとどまって新機軸を出す人は誠に寥々(りょうりょう)たる晨星(しんせい)のごときものがあった...
寺田寅彦 「知と疑い」
...此書の如き寥々たる短篇中に...
内藤湖南 「敬首和尚の典籍概見」
...いつも寥々(りょうりょう)たる広野の心持のするところです...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかしそれすら寥々(りょうりょう)たるものである...
夏目漱石 「作物の批評」
...みんな嘘っぱちばかりの世界だった甲州行きの終列車が頭の上を走ってゆく百貨店(マーケット)の屋上のように寥々(りょうりょう)とした全生活を振り捨てて私は木賃宿の蒲団に静脈を延ばしている列車にフンサイされた死骸を私は他人のように抱きしめてみた真夜中に煤けた障子を明けるとこんなところにも空があって月がおどけていた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...寥々の有様であるとはいへよう...
正岡容 「浅草燈籠」
...一見していかにも寥々たる武州大塚村の形相がうかゞはれ...
正岡容 「巣鴨菊」
...とりわけ講釈場は寥々の客足で...
正岡容 「東京万花鏡」
...寂寥々とした哀愁が...
宮本百合子 「偶感一語」
...「國の爲捨る命はをしまねど路の葎となるぞ悲しき」「寥々月色斷頭場」の絶命の辭を殘したのを見ると...
横瀬夜雨 「天狗塚」
...寥々(りょうりょう)とした星ばかりならいいが...
吉川英治 「江戸三国志」
...寥々(りょうりょう)たる星のごときものであろう...
吉川英治 「大岡越前」
...寥々(りょうりょう)の破旗悲風に鳴り...
吉川英治 「三国志」
...寥々(りょうりょう)とすだく虫の音があるばかり...
吉川英治 「神州天馬侠」
...ただ寥々(りょうりょう)たる夕闇があるだけだった...
吉川英治 「新書太閤記」
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