...くどいようだが、われ等の求むる人物は、敏腕で、熱心で、真理慾が強くて、寡慾で、そして温和しい魂の所有者であらねばならぬのである...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...寡慾で、貧乏だった徐枋は、家に食うものといっては何一つなくて、ひもじい目をすることがよくあった...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...その行いは厳正にして寡慾...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...三篇でも出来ればあとはどうでもよいという寡慾(かよく)な男に候処...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...差し上げましょう」といった風な寡慾で...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...その温順寡慾(かよく)なる羊質をもちながら...
新渡戸稲造 「自警録」
...何といふ寡慾な、可憐な、愼ましい祈願であらう...
萩原朔太郎 「宿命」
...務めて寡慾潔癖を衒い...
久生十蘭 「湖畔」
...天下の人皆財(ざい)を貪(むさぼ)るその中に居て独り寡慾(かよく)なるが如き...
福沢諭吉 「日本男子論」
...如何(いかん)となれば、書生の勉強、僧侶の眠食は身体の苦痛にして、寡慾、正直、深切の如きは精神の忍耐、即ち一方よりいえばその苦痛なればなり...
福沢諭吉 「日本男子論」
...こういうおくりものに対しては私は寡慾ではいられないわ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...寡慾をすすめて来たものだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...何たる寡慾(かよく)...
吉川英治 「新書太閤記」
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