...孫は彼女のすぐ隣に多愛のない寝顔を仰向けてゐた...
芥川龍之介 「一塊の土」
...朝になればなっても不思議に寝顔の美しい女であった...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...照代の寝顔がちょっと見たいんだ...
豊島与志雄 「復讐」
...その寝顔を見て、また秋子の方へ戻ってきた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...月の光が長い窓から射して司教の青白い寝顔をふいに照らした...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...覚醒(かくせい)して苦しんでるのよりは麻酔した寝顔のほうが見たい...
中勘助 「母の死」
...ムニャという発音をしたところの先生の寝顔を...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの頑是ない太郎の寝顔を眺めながら置いて来るほどの心になりましたからは...
樋口一葉 「十三夜」
...振り返つて見ると藤村の寝顔には...
牧野信一 「環魚洞風景」
...いつまでも見飽きないあの寝顔もなくなってしまう...
山本周五郎 「菊屋敷」
...母の寝顔を見たる時...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その母の寝顔を見て...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
......
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...「万太郎様がお案じであろう、早く、一日も早く、わしは根岸へ帰らなければならぬ」金吾の囈言(うわごと)を聞けば聞くほど、かの女の甘い毒薬は少しずつ朝夕の粥(かゆ)に増されて、春は来ても梅は咲いても、相良金吾、聖天(しょうでん)の洞窟(どうくつ)よりはさらに無明(むみょう)な妖婦の愛のとりことなって、今は、いつこの水門尻(すいもんじり)の隠れ家を出られることか、寝顔のかれも、枕元で見つめているお粂自身も、結び合されて解けない奇なる運命を、自分で作って自分でもどうなることか分りますまい...
吉川英治 「江戸三国志」
...次郎の寝顔から剥取(はぎと)って来た出目洞白(でめどうはく)の般若(はんにゃ)の神作...
吉川英治 「江戸三国志」
...またさっきお燕の寝顔を見た眼(まな)ざし――少しは見えるらしいのである...
吉川英治 「大岡越前」
...かつてない幸福そうな寝顔にみえる...
吉川英治 「私本太平記」
...灯のない部屋の二つの寝顔を撫(な)でて通りぬける...
吉川英治 「松のや露八」
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