...御神燈は未だ白かったのに、夜の暗さ、別荘の門、街道も寝静まる、夢地を辿る心地して、宮歳のかよわい手に、辰吉は袖を引かれて来たのであった...
泉鏡花 「浮舟」
...家人もようやく寝静まる...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...それでも心配で毎夜人が寝静まるのを待って一応トランクの中を調べてみなければ眠れなかったのでございます...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「機密の魅惑」
...夜な夜な朋輩(ほうばい)の寝静まるのを待って独り稽古をしたのである...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...近所が寝静まるころになると...
徳田秋声 「爛」
...早くから寝静まる寝台車からのがれて...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...」二人は夜が更(ふ)けてあたりが寝静まるまで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...蘇州や楊州などのような比較的早く寝静まる都市に於ても...
豊島与志雄 「上海の渋面」
...浅草寺(あさくさでら)の巨鐘(きょしょう)の声はいかにも厳(おごそ)かにまたいかにも穏(おだやか)に寝静まる大江戸の夜の空から空へと響き渡るのであった...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...南部屋敷もさすがに人は寝静まる...
中里介山 「大菩薩峠」
...みんなが寝静まると...
中原中也 「曇つた秋」
...夜は皆が寝静まる時まで板場で働く...
原民喜 「翳」
...日が暮れると間もなく真暗になって寝静まるのを見た人々が...
夢野久作 「巡査辞職」
...当番の小使が寝静まる時刻を指すのを...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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