...寝起きの眼をこすりながら...
芥川龍之介 「芋粥」
...安来節が過ぎたのかな」彼は寝起きの口を...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...彼は工場の中の一室に寝起きしているのであって...
太宰治 「東京だより」
...白々しく興覚(きょうざ)めの宿命の中に寝起きしているばかりであります...
太宰治 「ろまん燈籠」
...一層寝起きの笹村の頭をいらいらさせた...
徳田秋声 「黴」
...何かしら訳のわからない不安を感ずるやうな、気持で――勿論それは薄暮の蒼白い部屋の色が、寝起きの頭脳に、彼が盲腸の手術をやつたとき、病院の部屋で魔睡薬がさめかかつて、目をさました瞬間の蒼白い壁の色などの聯想から来たものだことはわかつてゐたが、大体彼は日暮方に眠りからさめると、いつもさうした佗しい気持になるのであつた...
徳田秋聲 「浪の音」
...この部屋に寝起きしていたのだ...
沼田一雅 「白い光と上野の鐘」
...八」平次は機嫌の好い寝起きの顔を狭い庭から持って来ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...……うちの大将ぐれえ寝起きのわるいのはねえんだからよ...
久生十蘭 「金狼」
...寝起きはとかく不機嫌な巴里の冬空...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...単に寝起きの時間が周囲の者と喰ひ違つてゐたゞけで別段余外に眠るわけでもなく...
牧野信一 「籔のほとり」
...何しろ寝起きのまま逃げ出した奴が裏山伝いに長襦袢のままのご帰還だ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...そのおかげで寝起きができるようになったんじゃねえか...
山本周五郎 「青べか物語」
...同じうちに寝起きをし...
山本周五郎 「さぶ」
...とッとと顔を洗う水を汲んで来い」寝起きの不機嫌に任せて呶鳴りつけた...
吉川英治 「剣難女難」
...「なぜ寺船など寄せつけたか」と、寝起きづらを、一そうまずいものにして、柵の兵どもを叱りちらした...
吉川英治 「私本太平記」
...寝起きの顔を持ったまま...
吉川英治 「宮本武蔵」
...母の寝起き姿のままの汚い素顔や...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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