...悪夢を見た寝覚めの苦しさといやらしさを彼は感じた...
梅崎春生 「狂い凧」
...寝覚めのなまなましい気持を荒々しくゆすっていた...
梅崎春生 「桜島」
...彼らが老(おい)の寝覚めの物語でも交しているのかと想像したが...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...鵲(かささぎ)も稀(まれ)に飛ぶのみ大夏野松花江(しょうかこう)流れて丘は避暑地とや昼寝覚め又大陸の旅つづく六月八日 奉天大和ホテル止宿...
高浜虚子 「六百句」
...老いの寝覚めをやるほうなので...
太宰治 「春の盗賊」
...がらりと様子が変って来たから寝覚めが好くない...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...その直前にどんなことを考えていたかと思って聊(いささ)か覚束(おぼつか)ない寝覚めの記憶を逆に追跡したが...
寺田寅彦 「KからQまで」
...寝覚めがよくはないがな...
徳田秋声 「爛」
...あまり心地よき寝覚めの伴侶(とも)にもあらざりき...
徳冨蘆花 「馬上三日の記」
...女中部屋に眠つてゐても何となく寝覚めが悪るかつた...
林芙美子 「朝夕」
...朝の寝覚めに、あの男と、広い芝生でテニスをしてゐる夢をみて、なつかしかつたが、その夢は思ひ出さうとしてもとりとめがなかつた...
林芙美子 「浮雲」
...又いつもの淋しい朝の寝覚め...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...さぞ寝覚めのお悪い事であろうと思って...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...何が此の寝覚めの心に上るかと思つて...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...戦(いくさ)に敗れて落ち行く草枕の寝覚めに――幾たびとなく拙者はこの剣を抜き払ってみた...
吉川英治 「三国志」
...昼はながめ夜は寝覚めがちなれば...
吉川英治 「新書太閤記」
...(寝覚めの、溜らない懶(ものう)さ……)いつの間にか、又、瞼(まぶた)が合わさると、一年中開けっぱなしの窓から森を、あの深い森を、ずーっと分けて行くような匂いがした...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
...あの寝覚めの妙な気持に興味を持ってやったんだけど...
蘭郁二郎 「蝕眠譜」
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