...二時間ばかり毛布にくるまってゴロリと寝る...
海野十三 「深夜の市長」
...京の私の家のことし八十八歳になるばばさまが、大事のへそくりの百両を、二十年ほど前に小さい茶壺(ちゃつぼ)にいれて固く蓋(ふた)をして、庭の植込みの奥深く、三本ならびの杉(すぎ)の木の下に昔から屋敷に伝っているささやかなお稲荷(いなり)のお堂があって、そのお堂の縁の下にお盆くらいの大きさの平たい石があるのですが、その石の下にです、れいの茶壺を埋めて置いて、朝から日の暮れるまでに三度、夜寝る前に一度、日に都合四度ずつ竹の杖(つえ)をついて庭を見廻(みまわ)る振りをして、人知れず植込みの奥に眼(め)を光らせてはいって行き、その隠し場所の安泰をたしかめ、私がまだ五つ六つの時分は、ばばさまにたいへん可愛(かわい)がられてもいましたし、また私をほんの子供と思って気をゆるしていたのでございましょう、或る日、私を植込みの奥に連れて行き、その縁の下の石を指差して、あの下に百両あるぞ、ばばを大事にした者に半分、いやいや一割あげるぞ、と嗄(しわが)れた声で言いまして、私はそれ以来どうにもその石の下が気になってたまらず、二十年後あなた様たちに遊びを教えられて、たちまち金に窮して悪心起り、とうとう一夜、月の光をたよりに石の下を掘り起し、首尾よく茶壺を見つけて、その中から三十両ばかり無断で拝借して、またもとのように茶壺を埋め、上に石を載せて置き、ばばさまに見つかるかと、ひやひやしてしばらくは御飯ものどにとおらず、天を拝し地に伏してひたすら無事を念じ、ばばさまはやっぱりお年のせいか、あのように眼を光らせても石の下まで見抜く事は出来なかった様子で、毎日四度ずつ調べに行っても平気な顔で帰って来るので、私も次第に大胆になり、その後も十両、二十両と盗み、やがて無常を観じて出家する時には、残っている金をそっくり行きがけの駄賃(だちん)として拝借して旅立ったようなわけで、あのばばさまの生きていらっしゃる限り、私はおそろしくて家へ帰る事が出来ないのです...
太宰治 「新釈諸国噺」
...まだ寝るには早い...
太宰治 「津軽」
...いつだってナイフを抱いて寝るんだよ...
太宰治 「ろまん燈籠」
...二人ならんで寝る...
種田山頭火 「其中日記」
...ぐっすり寝る、夢も悔もなし、こんとんとしてぼうぼうばくばくなり十二月十五日 晴...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...「私も寝る...
近松秋江 「うつり香」
...どんなことがあっても十時に寝る...
野村胡堂 「胡堂百話」
...男はいつも私と着て寝る寝巻を着ていた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...四時に寝る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...高見順の「如何なる星の下に」を読みつゝ寝る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...こっちは泊ってよく寝るぞ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...さっき疲れたから寝ると言ったぞ」女は夢心地だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...寝る処に持つて行つてゐるだらうかなどと思つた...
森鴎外 「金貨」
...畳を長く敷きつめた八畳ぐらいのところに枕を並べて寝る...
柳田国男 「故郷七十年」
...寝るときもういちど訊いてみた...
山本周五郎 「柳橋物語」
...「お杉さんは寝るところはあるのかね...
横光利一 「上海」
...ここはわし達の寝るところじゃ...
吉川英治 「篝火の女」
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