...僕は世間の人があまりに寛容なために今不當に愛せられ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...ローマ帝国は外国にたいする寛容な精神があり...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...寛容な東郷大将はそうした大衆の期待を裏切って失望させては気の毒だと思って...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...魔術的な寛容な恋愛の価値のためではなくて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...試練を経た寛容な強い一つの魂に向き合っているように...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...自分は畳の上に寝て一夜を明かすというような寛容な光景が見られるものか...
中里介山 「大菩薩峠」
...かなりの寛容な態度で道庵先生を扱いながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...甲斐守は、寛容な面もちで、人もなげな藤波の話をききすましていたが、この時、言いようのない温和な笑顔をうかべて、「上司を蔑(なみ)するごとき言葉の数かず、役儀熱心のゆえと解してそれは忘れてとらすが、……では藤波、はばかりなく大言する以上、このたびのお鶴吟味には、さだめし、確たる推察(みこみ)があるのであろうな」顔もあげずに、藤波、「ございます」甲斐守は思わず乗りだして、「おッ、推察がついたか...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...もともと寛容な性なので...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...如何に寛容な心を持ちたいと希ふ自分も...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...槇と云う名からして中年の寛容な父親を思わせる様なのに...
宮本百合子 「後庭」
...寛容な陛下はまた私への情誼(じょうぎ)で過去の罪はお許しくださるであろうとお願いして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...今も優しく寛容な御性質をお慕い申し上げて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...みな誰も手もとの狂いのままに相手の狂いも赦している寛容な顔がひどく久慈に気に入った...
横光利一 「旅愁」
...吟味の寛容なるにあざむかれ...
吉田松陰 「留魂録」
...六十に至ってようやく寛容な気持ちになれたのである...
和辻哲郎 「孔子」
...しかし他に対するこの寛容な是認の境地においても己れの言行をことごとく是認するまでには至らない...
和辻哲郎 「孔子」
...アラビア人の寛容な政策に化せられて...
和辻哲郎 「鎖国」
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