...寧ろ自分を寛容な人と思はせる利益のある...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...偽善でも何でも忘恩の非行者に対してこういう寛容な襟度を示したものは滅多にない...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...寛容な東郷大将はそうした大衆の期待を裏切って失望させては気の毒だと思って...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...十月五日吟味の寛容なるに欺かれまた必生を期す...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...魔術的な寛容な恋愛の価値のためではなくて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...寛容なお雪にしては珍しいほど...
中里介山 「大菩薩峠」
...甲斐守は、寛容な面もちで、人もなげな藤波の話をききすましていたが、この時、言いようのない温和な笑顔をうかべて、「上司を蔑(なみ)するごとき言葉の数かず、役儀熱心のゆえと解してそれは忘れてとらすが、……では藤波、はばかりなく大言する以上、このたびのお鶴吟味には、さだめし、確たる推察(みこみ)があるのであろうな」顔もあげずに、藤波、「ございます」甲斐守は思わず乗りだして、「おッ、推察がついたか...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...いつもの寛容な表情のなかに...
久生十蘭 「地底獣国」
...六十ばかりの寛容な面持をした白髪の老人が...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...もともと寛容な性なので...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...当然ながら高貴で寛容なボーン国・ゼナ王女...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...さきにも云へる如くすべてに寛容なる我が父はわが文學を好む事にも何の干渉を加ふる事なく...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...槇と云う名からして中年の寛容な父親を思わせる様なのに...
宮本百合子 「後庭」
...今も優しく寛容な御性質をお慕い申し上げて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...すこぶる寛容な人であったため...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...しかし他に対するこの寛容な是認の境地においても己れの言行をことごとく是認するまでには至らない...
和辻哲郎 「孔子」
...しかし彼らの信ずるのはすべてを許し何人をも成仏せしめる寛容な仏であって...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...寛容な性格であったのに対して...
和辻哲郎 「鎖国」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??