...寔に心外の事どもである...
辰野隆 「書狼書豚」
...御当人は寔によい方だのにああ云うことで残念です...
谷崎潤一郎 「細雪」
...飽く迄(まで)も生娘の純真さを保っておられるのは寔に貴いことである...
谷崎潤一郎 「細雪」
...難事業とされてゐる自動車工業の克服を想へば寔に是男子一生の大業であり...
豊田喜一郎 「準備は出來たトヨタは邁進します」
...寔に此の會にお集り下された方々は...
豊田喜一郎 「ボデー意匠審査会 美術の粹を蒐め獨特の形態美へ」
...川柳狂歌春画三味線の如きは寔に他の民族に見るべからざる一種不可思議の藝術ならずや...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...嗚呼男子六尺をかけば福徳寔に大なるかな...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...寔によく読まれよく評されて来た...
中原中也 「よもやまの話」
...だが寔に此の一言を免かれる人一人の不幸といふものはないのである...
中原中也 「よもやまの話」
...寔に色の真白な女の如き優男ではありましたが...
西尾正 「陳情書」
...その外観は寔に異様で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...此障礙は寔に偶然のことである...
平出修 「逆徒」
...寔に上品な紳士である...
平出修 「瘢痕」
...出来秋の今となつては寔に見すぼらしいものであつた...
平出修 「夜烏」
...お疲れ筋を寔にすみませんが……」揺起しながら阿波太夫...
正岡容 「吉原百人斬」
...寔に此の一疋の蛾が...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...小さいかな、われらの百年に滿たぬ生涯は、その過去未來、億萬年の生命にくらぶれば、寔に、一瞬一閃光の短い時間に過ぎぬ...
吉川英治 「折々の記」
...寔に間のわるいものになると思つて...
吉川英治 「折々の記」
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