...序欧羅巴に於ける神話学の研究は、嘗て所謂比較神話学派の勃興せし当時に於て、甚しく隆盛を極めし反動の勢未だ止まずして、現今に於ては、寔に微々として、甚振わざるの観なきに非ず...
高木敏雄 「比較神話学」
...人類学者が、凡ての時代を通じ、凡ての民族を通じて、神話発生の根原を、同一なりとし、宗教学的神話論者が、民間信仰の根本基礎を以て、古今を通じて、異る所ある可からずと論ずるもの、寔に其理あり...
高木敏雄 「比較神話学」
...先方さんへは寔にお気の毒ですけれども...
谷崎潤一郎 「細雪」
...御当人は寔によい方だのにああ云うことで残念です...
谷崎潤一郎 「細雪」
...飽く迄(まで)も生娘の純真さを保っておられるのは寔に貴いことである...
谷崎潤一郎 「細雪」
...寔に遺憾に堪えないのであります...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...難事業とされてゐる自動車工業の克服を想へば寔に是男子一生の大業であり...
豊田喜一郎 「準備は出來たトヨタは邁進します」
...嗚呼男子六尺をかけば福徳寔に大なるかな...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...詩も亦寔にそのやうである...
中原中也 「詩と其の伝統」
...寔によく読まれよく評されて来た...
中原中也 「よもやまの話」
...寔に色の真白な女の如き優男ではありましたが...
西尾正 「陳情書」
...寔にそれは忘我の陶酔境でありまして...
西尾正 「陳情書」
...その外観は寔に異様で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...私はその先人に対して寔に済まないと思ひます...
平出修 「逆徒」
...出来秋の今となつては寔に見すぼらしいものであつた...
平出修 「夜烏」
...寔に間のわるいものになると思つて...
吉川英治 「折々の記」
...寔に」暗然と――ただ口を閉じていた秀吉は...
吉川英治 「新書太閤記」
...また、東寔については、妙心寺史に詳しいし、仏家人名辞書に載っている筈...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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