...彼は深川佐賀町の寓居で...
谷崎潤一郎 「刺青」
...最初の一月ほどは時雄の家に仮寓(かぐう)していた...
田山花袋 「蒲団」
...九月五日動物園の大蛇を見に行くとて京橋の寓居(ぐうきょ)を出て通り合わせの鉄道馬車に乗り上野へ着いたのが二時頃...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...江戸に遊寓(ゆうぐう)す...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...帰朝の日その信仰とその聖書をば挙(あ)げてその古靴及び反故(ほご)とともにロンドンの仮寓(やどり)にのこし来たれるなり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...そのうち或る都合から由井氏とは同寓する事をやめて...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...破産の後小説家三宅青軒をたよりて東京に來り小波山人が五番町の家に寄寓し...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...昼前薗八節師匠宮薗千春を築地二丁目電車通の寓居に訪ひ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...われ初て南岳と交(まじわり)を訂(てい)せしは明治三十二年の頃清朝の人にして俳句を善くしたりし蘇山人羅臥雲(そさんじんらがうん)が平川天神祠畔(ひらかわてんじんしはん)の寓居においてなりけり...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...君が小田原の寓居の中に意外にもこの子を失われたので...
西田幾多郎 「我が子の死」
...この錦絵は青春貧困のころ夙に流寓に失つてしまつてゐて...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...流寓逃亡の記憶は...
正岡容 「滝野川貧寒」
...木賀の松坂屋は其旅寓である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...妙了は年久しく渋江の家に寄寓していて...
森鴎外 「渋江抽斎」
...寓話に出てくる狐のような口をきくな」とやり返された...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...さっそく麹町六番町の仮寓へ訪ねると六曲一双の屏風へ五頭の虎を描いていた...
山本笑月 「明治世相百話」
...その寓居を訪うた翁は「到って静かで師を尋ねて来る人もなかった」と手記している...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...「――自分は将軍である」落魄流寓(らくはくりゅうぐう)時代のひがみもある...
吉川英治 「新書太閤記」
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