...寄寓(きぐう)してゐる家に帰れば丁度十時になると思つた...
犬養健 「朧夜」
...大阪南本町の仮寓にゐた私を訪ねて来てくれたことがあつた...
薄田泣菫 「独楽園」
...猿樂町に居た時は恰も山本の家に寄寓してゐた形であつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...各階にひと部屋しかない小さな公寓(アパート)なのだ...
高見順 「いやな感じ」
...一度もその寓居をたずねたことはなかった...
寺田寅彦 「俳諧瑣談」
...第一の寓話――イソップ物語の中のもので...
豊島与志雄 「文学以前」
...寓話に於て狐が如何に狡猾であろうとも...
豊島与志雄 「文学に於ける構想力」
...さまざまなる寓意(ぐうい)の下に描直(かきなお)され...
永井荷風 「江戸芸術論」
...われ初て南岳と交(まじわり)を訂(てい)せしは明治三十二年の頃清朝の人にして俳句を善くしたりし蘇山人羅臥雲(そさんじんらがうん)が平川天神祠畔(ひらかわてんじんしはん)の寓居においてなりけり...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...三四郎は何か寓意(ぐうい)でもあることと思って...
夏目漱石 「三四郎」
...――野々宮君は自分の寄寓(きぐう)している広田先生の...
夏目漱石 「三四郎」
...彼の言うがままに従うに如(し)かずと閑静なる処に寓居(ぐうきょ)を構(かま)え...
福田英子 「妾の半生涯」
...今私は信濃追分の假寓にゐる...
堀辰雄 「豆自傳」
...寓公となり筆生となつた生活は...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...これは眞志屋が既に二本氏から金澤氏に轉寓した後の文である...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...十九歳のとき上京したが翌年故あって拙宅に寄寓した...
山本笑月 「明治世相百話」
...大漢四百年、その間の治乱には、必然、多くの門葉ご支族も、僻地に流寓し、あえなく農田に血液をかくし給うこと、何の歴史の恥であろう...
吉川英治 「三国志」
...貴説は論拠をなさないことになるが――流寓の新免家六人衆武蔵が...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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