...寒月居士の舊居については一言もふれてゐない...
心猿 「露伴忌」
...この画房は椿岳の亡(な)い後は寒月が禅を談じ俳諧に遊び泥画(どろえ)を描き人形を捻(ひね)る工房となっていた...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...雨のような水音(みずおと)と共に溝(どぶ)から湧(わ)く湯気が寒月の光に真白(まっしろ)く人家の軒下まで漂っている...
永井荷風 「雪解」
...寒月の光に若い男女が互(たがい)に手を取り肩を摺れ合(あわ)して行くその後姿(うしろすがた)と地に曳(ひ)くその影とを見送った...
永井荷風 「雪解」
...ただ『猫』の寒月についての記述の素材が...
中谷宇吉郎 「寒月の「首縊りの力学」その他」
...『猫』の寒月君『三四郎』の野々宮さんの話の素材が吉村冬彦(寺田寅彦)先生から供給されたものであるという話は...
中谷宇吉郎 「冬彦夜話」
...寒月君の友人であるという事も知れた...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...寒月君はいそがない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...まだなかなか長くあって寒月君は首縊りの生理作用にまで論及するはずでいたが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...無理に貰っていただかないだって困りゃしません」「それじゃ寒月の事なんか聞かんでも好いでしょう」と主人も躍起(やっき)となる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...今度寒月君が来たらなるべくどうか邪魔をしないようにしてくれ給え...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...この頃は団栗博士(どんぐりはかせ)の夢でも見ているかも知れない」鈴木君は寒月の名を聞いて...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...いや実際の事を云うと寒月君自身が気が変になって深夜に飛び出して来たのではあるまいかと...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ただ寒月君だけは「どうかその懐旧談を後学(こうがく)のために伺いたいもので」と相変らずにやにやする...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ねえ、寒月君、それだから、失恋でも、こんなに陽気で元気がいいんだよ」と主人が寒月君に向って迷亭君の失恋を評すると、寒月君は「しかしその娘が丸薬缶でなくってめでたく東京へでも連れて御帰りになったら、先生はなお元気かも知れませんよ、とにかくせっかくの娘が禿(はげ)であったのは千秋(せんしゅう)の恨事(こんじ)ですねえ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...細君も寒月も申し合せたように首をひねってちょっと考えて見る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...寒月君は笑いながらまた進行する...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...寒月梅花を照らすといえば渋いが...
久生十蘭 「魔都」
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