...寒暑をかまっていられない漁夫たちも吹きざらしの寒さにはひるまずにはいられない...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...持って帰った漁具――寒さのために凍り果てて...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...寒さはしんしんと背骨まで徹(とお)って...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...ばくちをよさずにヤケ酒なんか飲んで女房子供は飢えと寒さにひいひい泣けば...
太宰治 「返事」
...ひもじさ寒さも気にとめず...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...寒さを恐れて春も彼岸(ひがん)近くまで外出(そとで)の折には必ず懐炉(かいろ)入れ歩くほどの果敢(はか)なき身には...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...膨脹は寒さの侵入する方向...
中谷宇吉郎 「低温室だより」
...冷冷とした夜氣の肌寒さに不安を感じて佐佐木と別れ八時過ぎ歸宅...
南部修太郎 「日曜日から日曜日まで」
...二人は餓(うえ)も寒さも忘れ...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...あるいは何かを笑いものにすることで我々の力を証明することがとても好きなのではないのだろうか?凍るような寒さであればあるほど...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...けれどその野宿(のじゆく)も今夜はどんなに怖ろしいことだらう、この空腹や、力なさ、寒さの感じでは、そしてこの慘(みじ)めな侘びしい氣持では――一縷(る)の望みもなくなつたこの空しさでは...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...寒さには何の抵抗力も持たないんだ...
牧野信一 「「或る日の運動」の続き」
...厭な寒さを感じた...
牧野信一 「F村での春」
...妻は主婦として行手の寒さに身をふるわせ...
宮本百合子 「権力の悲劇」
...水分をふくんだ風はすこし寒さをかんじた...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...すると彼は再び寒さを感じ始めた...
横光利一 「悲しみの代價」
...それに書斎の片隅の積んだ書物の間から、夜の名残をただよはす蔭に沈んで、寒さうに、痩せた死人の頬を見せる青いさびしい白菊が、薬局で嗅ぐ風のよに苦いかをりを立てるのはまだ覚め切らぬ来し方のわたしの夢の影であろ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...急に森を抜出たせいか吹曝(ふきざら)しの車の上にいると霧雨が肌にまで沁透(しみとお)って来てゾクゾクした寒さに襲われて来ました...
蘭郁二郎 「穴」
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