...月を…………われら忽ち寒さの闇に陥らん…………やがて冬…………冬はさむいな...
芥川多加志 「四人」
...時雨の寒さを避ける火鉢...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...物価騰昇(とうしょう)寒さの砌(みぎり)...
泉鏡花 「薄紅梅」
...寒さは無遠慮に俳諧師の背筋から懐中(ふところ)から入つて来た...
薄田泣菫 「茶話」
...とある菓子屋の前に配達車と一緒に積んだ藁の上には十六七の子守兒が寒さうに遠い星のやうに煙つて居眠つて居る...
千家元麿 「自分は見た」
...孫の私のほうが山中の寒さに凍(こご)え死にするような事になるかも知れません...
太宰治 「新釈諸国噺」
...背筋の皮と耳朶(じだ)とをブルン! と寒さうに痙攣させて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...寒さに震えながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...すぐに足先からぞくぞくした寒さが伝わってきた...
豊島与志雄 「反抗」
...寒さは済んでしまったのだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...飢ゑと寒さにふるへながら暮して居ります...
原民喜 「書簡」
...飢えと寒さに凍(こご)えて茫然(ぼうぜん)と虚空をみつめている姿をよく見かける...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...その寒さを見送るようにした...
本庄陸男 「石狩川」
...身を切らるゝ寒さは想像にあまるものであつた...
牧野信一 「冬物語」
...今夜は寒さに備えて白金懐炉に火を入れるべく...
松濤明 「春の遠山入り」
...寒さと飢えと心細さに震えながら...
三浦環 「お蝶夫人」
...烈しい寒さとたたかって...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...氷柱(つらら)がさがっているような一月の寒さだったし...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索