...ああ、ゲルダの小さな足は、どんなにか傷つき、つかれはてたことでしょう! あたりを見まわしても、目にうつるものは、寒々とした、ものさびしい景色ばかりです...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「雪の女王」
...なにか寒々としたものに突き当ったのだ...
豊島与志雄 「紫の壜」
...寒々とした部屋ながらそこは家具一つ亂れてはゐなかつた...
南部修太郎 「死の接吻」
...筵の上につまんで置いたような寒々とした老爺は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今でも寒々とした悪感が走るほどである...
萩原朔太郎 「僕の孤独癖について」
...寒々とした夜明けの空に...
林芙美子 「浮雲」
...十一月の寒々とした氣配が...
林芙美子 「崩浪亭主人」
...夕闇のおりてゐる寒々とした路上で...
原民喜 「火の子供」
...寒々とした条約局の応接室で待っていると...
久生十蘭 「ノア」
...やるせないとも言いようのない寒々とした気持だった...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...やっぱり寒々とした...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...誰よりも自分が寒々とした心地であった...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...奥方が「なにね畳がズタズタになってるから」ますます寒々とした邸内の有様が髣髴としてくる...
正岡容 「我が圓朝研究」
...こんな寒々とした少しの温かみのない曇り日の景色というものには...
室生犀星 「津の国人」
...まだ灯(あか)りの来ていない広やかな壁と畳の寒々とした中に...
吉川英治 「新書太閤記」
...寒々とした頭(つむり)を下げた...
吉川英治 「親鸞」
...一笠一杖(いちりゅういちじょう)の寒々とした雲水のすがたであった...
吉川英治 「親鸞」
...寒々とした風態(ふうてい)のお若い牢人が堂の内をのぞいて――この頃は作州のお婆は参籠に見えぬかと問われますゆえ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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