...二十三 「とても」「とても安い」とか「とても寒い」と云ふ「とても」の東京の言葉になり出したのは数年以前のことである...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...寒い西比利亜線を行くよりは船で帰るが海気療法ともなるという意見が勝ったからだそうで...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...五郎はかすかな悪寒(おかん)を感じた...
梅崎春生 「幻化」
...・山から下りてゆく街へ虹立つた暮れて寒い百舌鳥がまだないてゐる彼の過去帳を繰りひろげて見る...
種田山頭火 「其中日記」
...さびしい寒い宿直室の生活はやがてまた始まった...
田山花袋 「田舎教師」
...それでもこの寒く冷たい寝床の上で...
寺田寅彦 「病室の花」
...暗い悪寒(おかん)がマリユスの心をよぎった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...寒いなア」「滅法界(めっぽうかい)寒い」折助が五人ばかりかたまって来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...頭はちょうど寒椿の葉の下になっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜は寒中平気で堂宮の縁でも地べたでも寝込んでしまう...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...がらんとしたうすら寒い地下室であった...
中谷宇吉郎 「実験室の記憶」
...「寒いでしょう、御気の毒さまね...
夏目漱石 「門」
...二人は寒さうに竝んで歩いた...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...寒い夜気に当って...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...外套を透(とほ)して寒氣(かんき)はしん/\と身に沁みた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...コルに下り立つと猛烈な寒風が西側から吹き越して...
松濤明 「春の遠山入り」
...おまえ寒いか」と老人(ろうじん)が言った...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...いや寒い! 焚火をしよう...
三好十郎 「斬られの仙太」
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