...ゾーッと悪寒(おかん)を感じて...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...」「もつともつとお寒くなりましてからでも...
太宰治 「火の鳥」
...死に垂たる病中驚いて坐起せば暗風雨を吹いて寒窗に入るなどといふ...
辰野隆 「書狼書豚」
...心が安まってくると寒さが身に滲みて来る...
田中貢太郎 「白い花赤い茎」
...寒山竹の藪跡らしいところに...
豊島与志雄 「白藤」
...あの吹きさらしの飛行場の寒風の中で...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...少し薄寒さうな浴衣を引かけて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この寒空に裸になつたり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さすがに肌寒かつたものか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ブルジョアの娘として伸々とそだつて来た寒子には...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...「おお、寒い寒い」と、声も戦(ふる)いながら入ッて来て、夜具の中へ潜(もぐ)り込み、抱巻(かいまき)の袖に手を通し火鉢を引き寄せて両手を翳(かざ)したのは、富沢町の古着屋美濃屋(みのや)善吉と呼ぶ吉里の客である...
広津柳浪 「今戸心中」
...寒いし雨なので何うかと思ったが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...無縁寺の夜は明けにけり寒(かん)ねぶつ寒念仏といふのは無縁の聖霊(しょうりょう)を弔ふために寒中に出歩行(である)く者なればこの句も無論(むろん)寺の内で僧の念仏し居る様には非るべし...
正岡子規 「墨汁一滴」
...――大寒も過んだ或日...
室生犀星 「童子」
...ひりひりとするような寒風にあたっていた...
山川方夫 「その一年」
...春とはいっても正月から二月は寒さがきびしい...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...軍鶏(しゃも)の赤毛をお頭(つむ)にのせて、萌黄(もえぎ)木綿のお衣(べべ)をきせたお獅子(しし)の面を、パックリと背中へ引っくり返して、ほお歯の日和(ひより)下駄をカラカラ鳴らし、「オオ寒、オオ寒……」駈けて、ころんで、また駈けて、一膳(ぜん)めし屋へ飛びこんだ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「ううう……」磧(かわら)へ立つと、寒さに、骨が鳴った...
吉川英治 「松のや露八」
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