...密々(こつそり)とこの会堂や地面を自分の名儀に書変へて...
石川啄木 「赤痢」
...密々(こそこそ)と其事を語り合つてゐた...
石川啄木 「天鵞絨」
...そこでまた自分ながら感心するほど綿々密々として...
種田山頭火 「私の生活」
...月影も透かさぬほど密々と幹を迫(せ)りあった森の木の間から...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...密々と樹叢に蔽われた斜面が円形劇場のようにグルリと湾の周囲をとりまいているので...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...密々に体得されるものがなければなりません...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...密々、下野に正使を仰せつけられ、副使には黒川大隅が添い、もう十日も前に、この春日山を出立しているという」「……知らなかった」「知れようわけはない...
吉川英治 「上杉謙信」
...滝川一益から密々の指令は...
吉川英治 「黒田如水」
...諸国の武門を密々説きまわっている今――とも確言した...
吉川英治 「私本太平記」
...若公卿のあいだに密々の交友をもつかと思えば...
吉川英治 「私本太平記」
...密々同志をつのるため...
吉川英治 「私本太平記」
...ご出立の前に、密々、仰せつけおかれたように、抜かりなくしておきました」「抜かりなく?」よくしたとでも賞めることか、道誉は言った...
吉川英治 「私本太平記」
...正成殿に密々お会いしたいことがあって...
吉川英治 「私本太平記」
...浄土寺の忠円僧正を介(かい)して、大御所(尊氏)より山門の行宮(あんぐう)へ、密々、和を請(こ)うの御上書がさしあげられたには相違ございません」「して、お使いには何者が立ったのか...
吉川英治 「私本太平記」
...密々に送り出すはずですが...
吉川英治 「新・水滸伝」
...これとも密々な手筈を打ちあわせ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...「右馬允貞盛が、とうから常陸へ帰って、密々に、また策動をめぐらしているらしいので……」「なに、貞盛のやつが?」貞盛ときくと、将門はすぐ鬼相(きそう)を現わした...
吉川英治 「平の将門」
...しかし密々(ひそひそ)と伝えられていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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