...抑(そも/\)われは寄辺(よるべ)ない浮浪学生(ふらうがくしやう)...
マルセル・シュヲブ Marcel Schwob 上田敏訳 「浮浪学生の話」
...すべての寄辺(よるべ)なき漂泊(さすらい)びとを助けたまえ」……いいの...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...ラエーフスキイの有様が寄辺ない孤児を聯想させたのだろう...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...いつでも爺さんは寄辺(よるべ)のない...
中村地平 「南方郵信」
...孤独で寄辺のない生きながらの骸は...
林芙美子 「瀑布」
...親に棄てられた寄辺(よるべ)のない子供や...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...人生に疲れた寄辺ない老人など...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...寄辺ない後家のことで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その時の私の身の上を申せば寄辺汀(よるべなぎさ)の捨小舟(すておぶね)...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...どうせ一度は捨小舟(すておぶね)の寄辺ない身に成ろうも知れぬと兼て覚悟をして見ても...
二葉亭四迷 「浮雲」
...寄辺渚(よるべなぎさ)の棚(たな)なし小舟(おぶね)では無く宿無小僧となり...
二葉亭四迷 「浮雲」
...さうとすると今はもう東京には自分達の寄辺は皆無である...
牧野信一 「熱い風」
...今日のやうに貧しく寄辺ない心の日に朗読したならば定めし意に添ふであらうと思ふのだよ...
牧野信一 「痴酔記」
...そのころからそろ/\寄辺なき身を怨み佗びる性情が...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...ジッと寄辺なく物思いに沈んでいるような風情――一にも二にも圓朝はそこに心を魅かれた...
正岡容 「小説 圓朝」
...「寄辺(よるべ)なみかかる渚(なぎさ)にうち寄せて海人も尋ねぬ藻屑(もくづ)とぞ見し御無理なお恨みです」代わってこう言った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...今寄辺(よるべ)を失って...
森鴎外 「渋江抽斎」
...多くの者が或いは志す寄辺(よるべ)を頼り...
山本周五郎 「日本婦道記」
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